1989 Fiscal Year Annual Research Report
植物プロテア-ゼインヒビタ-遺伝子の解析とその利用
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63560075
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大野 哮司 北海道大学, 農学部, 教授 (00011726)
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Keywords | クニッツ型キモトリプシンインヒビタ- / 遺伝子ファミリ- / 遺伝子構造 / シカクマメ / 35sプロモ-タ- |
Research Abstract |
シカクマメ種子中には、最も多量に蓄積するインヒビタ-(WCI-3)を始めとして、少なくとも4種のキモトリプシンインヒビタ-(WCI)が存在する。昨年までに単離したWCI-3cDNAを用いて、各組織での発現を解析した。種子においては開花後30日目以降mRNAが蓄積し、最大値を経た後、成熟とともにmRNAの蓄積はみられなくなる。また、種子に加え、塊根およびその皮層で多量に、茎で少量のmRNAが検出されたが、幼葉、葉、根毛、サヤの外殻てはほとんど検出されなかった。 cDNAをプロ-ブとしたサザン分析の結果、本インヒビタ-関連遺伝子は半数体当たり少なくとも7種存在すると見積られた。特異的オリゴヌクレオチドプロ-ブを用い、WCI-3cDNAと極めて相同性の高い遺伝子が5kbおよび8kbのEcoRI断片に存在することが明らかになった。この5kbのEcoRI断片をクロ-ン化し(WBG-4)、構造を決定した。WBG-4中にはWCI-3と同一サイズで1アミノ酸のみが変化した蛋白質をコ-ドするORFが存在した。精製WCIのアミノ酸組成のデ-タとの比較から、これはWCI-2をコ-ドする遺伝子と推定した。これまでに解析した4種のインヒビタ-関連遺伝子(WGB1〜4)の5'上流域の構造を比較すると、発現していると推測されるWBC-2と-4遺伝子には、上流1000bp付近までかなり相同性の高い配列がみられ、発現制御との関連で興味がもたれる。 カリフラワ-モザイクウイルスの35Sプロモ-タ-のエンハンサ-領域を含むCNA断片をタンデムに二倍化することにより、高発現トランスジェニックタバコが高頻度で得られた。本改変プロモ-タ-とWCI-3cDNAからなる遺伝子をTiベクタ-により導入したトランスジェニックタバコを得た。その発現および耐虫性を検討している。
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[Publications] Peyachoknagul,S.,: "Sequence and expression of the mRNA encoding the chymotrypsin inhibitor in winged bean(Psophocarpus tetragonolobus.(L.)DC.)" Plant Molecular Biology. 12. 51-58 (1989)
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[Publications] Habu,Y.,: "Structure and expression of the chymotrypsin inhibitor gene family in winged bean." Plant Molecular Biology.