1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63560091
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
横越 英彦 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教授 (70109320)
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Keywords | 血液・脳関間 / 脳内セロトニン / トリプトファン / カテコールアミン / インスリン / 交感神経系薬剤 / グルココルチコイド / 成長ホルモン |
Research Abstract |
これまで比較的変動しにくいと思われていた脳内物質が、我々の食餌内容、或いはストレスなどにより、かなり容易に変動することがわかってきた。今回、食餌組成の変化と、それに伴う脳内神経伝達物質の変化及び、それに起因する行動への影響を解明することを目的とした。 1.栄養条件の変化に起因する脳内神経伝達物質の変動 (1).炭水化物摂取時には、脳内セロトニン量が顕著に増加するが、この変動機構には血中インスリン濃度が影響する。一方、インスリン分泌に及ぼす各種炭水化物の影響の仕方には違いのあることも報告されているので、その際の脳内セロトニン・カテコールアミン代謝を調べた結果、種類の違いによる差は観察されなかった。 (2).インスリン・成長ホルモン・各種交感神経系薬剤の脳内セロトニン代謝に及ぼす影響を調べ、成長ホルモン分泌とセロトニン合成との相関を示した。 (3).副腎皮質ホルモンの脳内トリプトファン・セロトニン濃度に及ぼす影響を種々の条件下で調べ、グルココルチコイド分泌促進(体蛋白質分解亢進)と脳内セロトニン合成との相関を明らかにした。 (4).カフェイン投与時の脳内セロトニン代謝の変動を各種阻害剤を用いて測定し、またフェニルアラニンを同時投与した時の影響を調べた。カフェインによる脳内セロトニン量の増加が、フェニルアラニン同時投与で抑制されるが、この機構はトリプトファンの血液・脳関間での取り込みに対する拮抗阻害である。 2.セロトニンは神経伝達物質として、セロトニン作動性神経系の調節を行っており、動物の行動制御と密接な関連がある。現在、食餌組成を変化させた時のオペラント型明度弁別学習を、スキナー箱を使用して研究中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yokogoshi,H.: Nutrition Reports International. 38. 1239-1247 (1988)
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[Publications] Yokogoshi,H.: Agric.Biol.Chem.52. 3173-3174 (1988)
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[Publications] Yokogoshi,H.: Nutrition Reports International. 39. March (1989)
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[Publications] Yokogoshi,H.: Agric.Biol.Chem.53. 267-269 (1989)
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[Publications] Yokogoshi,H.: Agric.Biol.Chem.53. June (1989)