1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63560097
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 秀夫 東京大学, 応用微生物研究, 助教授 (90013333)
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Keywords | 放線菌 / RNAポリメラーゼ / 主要シグマ因子遺伝子 / クローニング / 塩基配列 / rpoD相同遺伝子群 / 合成DNAプローブ / rpoDボックス |
Research Abstract |
放線菌は、原核生物の中でも最も複雑な形態的変化を行う微生物として知られており、その遺伝情報の発現制御機構の解明は、基礎、応用の両面において極めて重要である。現在、放線菌の標準株の一つとなっている。§.Coeli color A3(2)をについて、転写機構の中でプロモーターの特異性決定という最も重要な役割を担っているRNAポリメラーゼの主要シグマ因子遺伝子の構造の解析を行った。大腸菌と枯草菌は唯一の主要シグマ因子遺伝子を持っており、それらの塩基配列から両者の間には高い保存性が認められている。大腸菌と枯草菌の主要シグマ因子(rpdD遺伝子産物)の間に認められる共通配列の中で特に主要シグマ因子の機能に重要と考えられる領域より、シグマ因子検出のための合成DNAプローブを作成し、各種の細菌のDNAを用いてジェノミック・サザーン解析を行った。その結果、放線菌群の細菌は、例外なく複数の主要シグマ因子遺伝子を持っていることが示唆された。§.Coeli color A3(2)に認められた4つのシグナルに対応するDNA領域について、クローン化と塩基配列の決定を行った。いずれの領域にも大腸菌および枯草菌のrpoD遺伝子産物と類似の配列を持つORFが発見された。これらのORFから予想されるアミノ酸配列について種々の比較および解析を行った結果、4つの領域は§.Coeli color A3(2)のrpoD相同配列(hrdA〜Dと命名:homolog of rpoD)であると結論された。特に大腸菌、枯草菌のrpoD産物との間で13アミノ酸からなる共通配列が見付かり"rpoD Box"と呼ぶことにした。mRNAレベルでの発現の解析からこれらの遺伝子は、放線菌の形態的な変化と密接な関係があることが示唆された。
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[Publications] Tanaka,K.;et all.: Biochem.Biophys.Res.Comm.155. 487-492 (1988)
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[Publications] Nagaso,H.;et all.: J.Bacteriol. 170. 4451-4457 (1988)
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[Publications] Takahashi,H.;et all.: Proc.International Symp.Biol.Actionmyetes.7. 58-63 (1988)
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[Publications] Tanaka,K.;et all.: Science. 242. 1040-1042 (1988)