1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63560099
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高月 昭 東京大学, 農学部, 助教授 (80011972)
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Keywords | 糖蛋白 / 細胞内転送 / 抗生物質 / ウイルス |
Research Abstract |
動物細胞糖蛋白は粗面小胞体でポリペプチド鎖が合成され、それと併行してリピド中間体から少糖鎖が転移される。次いでゴルジへ転送され、そこで糖鎖は種々のプロセシングを受け、更に、細胞表層や細胞内オルガネラへ転送されていく。これら一連の糖蛋白質の細胞内の流れの大要は概ね明らかにされてきたが、その機構は未だ明らかにされていない。動物細胞では分泌変異株の取得が困難であるので、選択的な細胞内転送阻害剤を見出して、その特異な作用を利用して糖蛋白の細胞内転送機構を明らかにすることを本研究の目的とする。 選択的な糖蛋白細胞内転送阻害剤を検索する簡便な方法を確立し、それを用いて阻害剤の検索と単離を行なってきたが、本年度も引き続いて検索と単離を進め数種の活性物質を単離結晶化することが出来た。 従前は活性物質の検索と単離に研究の重点をおいてきたが、今後の検討に耐える十分な阻害剤を単離することが出来たので、本年度はこれら阻害剤の生物活性と作用の解析に重点を移して研究を進めた。単離した活性物質の殆どは検索に用いたニュ-カッスル病ウイルスのみならず水疱性口内炎ウイルスの増殖を抑制すること、又、あるものは肝炎ウイルスS抗原の細胞外への放出を抑制することを認めた。これらの阻害剤は酵母に対しては抗菌活性を示さなかった。イオノフォア硬性物質が糖蛋白の細胞内転送を阻害することが知られているが、単離した活性物質の殆どがイオノフォア活性を示さないことから、新規な作用様式を有する物質であることが期待される。糖蛋白細胞内転送がどこまで進行したかはその糖鎖の構造を解析することによって概ね予知できるので、取扱いの容易である水疱性口内炎ウイルスを用いて解析した。その結果、糖鎖不全の形で細胞内に蓄積することが明らかになり、ゴルジ或いはそれ以前の過程で細胞内転送を阻害することが強く示唆された。
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[Publications] M.Arioka: "Brefeldin A blocks protein transport from the ER to the Golgi apparatus in Candida albicans"
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[Publications] A.Takatsuki: "A convenient system in screening of specific inhibitors of intracellular translocation of glycoprofeins"