1988 Fiscal Year Annual Research Report
Zymomonas属細菌細胞表層のアルコール耐性構造の解析
Project/Area Number |
63560100
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
田原 康孝 静岡大学, 農学部, 助教授 (30022320)
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Keywords | Zymomonas mobilis / テトラヒドロキシバクテリオホッパン / アルコール醗酵 / アルコール耐性構造 / βインプロピルマレート脱水素酵遺伝子 / ショットガンクーロニング / 塩基配列決定 |
Research Abstract |
1.本研究課題の研究計画の1つとして、Z.mobilisの表層特異脂質、テトラヒドロキシバクテリオホッパン(THBH)、と本菌のアルコール醗酵との関係およびその生合成経路を遺伝学的に明らかにした。 (1)Z.mobilisST44からTHBH欠損変異株(N103)をナイスタチン抵抗株として単離した。欠損変異株はTHBHの著しい減少に伴ってホッパノール含量が増加した。このことは本菌のTHBHがホッパノールを経て生合成されることを示唆した。 (2)THBH復帰変異株(R103)を、欠損変異株の低下した塩耐性の回復を指標として単離した。欠損及び復帰変異株のアルコール醗酵能や塩耐性および高濃度グルコース耐性能の実験結果は、本菌のTHBHがアルコール醗酵に関連する浸透圧耐性に深く関与していることを示した。 2.本研究課題を遺伝子工学的に解明するための基礎研究として、Z.mobilisのロイシン生合成系に関与するβ-インプロピルマレート脱水素酵素(β-IPMD)遺伝子を単離し、その塩基配列を決定した。 (1)Z.mobilis染色体DNAをSauBAI部分分解DNA断片をpBR322-E.coliC600のショットガンクローニング法でβ-IPMD遺伝子を単離した。ササジハイブリダイジョイションで本遺伝子が該菌由来であることを確認した後、外来DNA断片を2.6Kbにサブクローニングした。 (2)クローニングしたDNA断片から、β-IPMD遺伝子をコードする1047bpのオープンリーデングフレームを解読した。開始コドンの上流8-12bpにSD配列(AGGAG)を認めたが、Z.mobilisコンセンサス配列の-10および-35領域は確認することができなかった。本遺伝子のアミノ酸レベルにおける他のβ-IPMD遺伝子との相同性は、S.cerevisiae47%、C.utilis53%、B.coagulans53%、I.thermophilus49%であった。コドン使用頻度をZ.mobilisの他の遺伝子と比べた場合、Leu,AsnおよびArgにおいて異なっていた。
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[Publications] Yasutaka,TAHARA: Agricultural Biological Chemistry. 52. 3189-3190 (1988)
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[Publications] Yasutaka,TAHARA: Agricultural Biological Chemistry. 53. (1989)
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[Publications] Yasutaka,TAHARA: Agricultural Biological Chemistry. 53. (1989)