1989 Fiscal Year Annual Research Report
大腸菌のγ-グルタミルトランスペプチダ-ゼに関する研究
Project/Area Number |
63560102
|
Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
熊谷 英彦 京都大学, 農学部, 助教授 (70027192)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 俊博 京都大学, 農学部, 教務職員 (30135553)
山本 憲二 京都大学, 農学部, 助手 (70109049)
|
Keywords | γ-グルタミルトランスペプチダ-ゼ / γ-グルタミルトランスペプチダ-ゼ遺伝子 / 大腸菌 |
Research Abstract |
1.報告者らは、初年度の研究において、大腸菌のγ-グルタミルトランスペプチダ-ゼ(GGT)をコ-ドする遺伝子(ggt)の全塩基配列を決定し、本遺伝子が、シグナルペプチド(25アミノ酸残基)、大サブユニット(365)、小サブユニット(190)をひとつのオ-プンリ-ディングフレ-ム中にコ-ドすることを明らかにした。そこで本年度は、ggtが低温(20℃)で発現する機構を明らかにすることを目的として、また、常温(37℃)でGGTを大量に生産せしめることを目的として、ggtの構造遺伝子部分を高発現ペクタ- pKK223-3に組み込むことを試みた。この試みは初年度から行っているが、構造遺伝子全体を切り出すのに好都合な制限酵素が無いため、良い結果を得ていない。そこで本年度は、次のような2段階のクロ-ジングを行った。 (1)先ずggtのEcoRV断片(主として大サブユニット部分をコ-ドする)をpKK223-3に組み込む。 (2)ついで、この大サブユニット部分が組み込まれたプラスミドに、ggtのHpaI-PstI断片(小サブユニットをコ-ドする)を組み込む。 現在(1)の段階は成功しており(2)の段階の確認中である。 2.GGTの構造と反応機構を明らかにすることを目的として、小サブユニット中のセリン75をアラニンまたは、システインと置換する変異をggtに導入した。セリン75は、動物のGGTのアミノ酸配列から、基質結合サイトと予測されている残基である。しかしながら、変異したGGTは両方とも野生型GGTと殆ど変わらぬ活性を有し、セリン75が、基質結合サイト等の活性アミノ酸残基ではないことが明らかになった。変異型酵素の基質特異性、熱安定性等の性質について検討中である。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Hidehiko Kumagai: "Utilization of the γ-glutamyltranspeptidase reaction for glutathione synthesis" J.Biotechnol.9. 129-138 (1989)
-
[Publications] Hidehiko Kumagai: "Enzymatic systhesis of γ-glutamyl-tyrosine methyl ester from L-glutamine and L-tyrosine methyl ester with Escherichia coli K-12 γ-glutamyltranspeptidase" Agric.Biol.Chem.53. 1429-1430 (1989)
-
[Publications] Hidehiko Kumagai: "Enzymatic systhesis of γ-glutamyl-L-histidine by γ-glutamyltranspeptidase from Escherichia coil K-12" Lett.Appl.Microbiol. 8. 143-146 (1989)
-
[Publications] 鈴木秀之: "Escherichia coil K-12のγ-グルタミルトランスペプチダ-ゼ" 生化学. 61. 491-496 (1989)
-
[Publications] Hideyuki Suzuki: "DNA sequence of the Escherichia coli K-12 γ-glutamyltranspeptidase gene,ggt" J.Bacteriol.171. 5169-5172 (1989)
-
[Publications] Hidehiko Kumagai: "Escherichia coli K-12 mutants lacking γ-glutamyltranspeptidase and Molecular cloning of ggt gene,in Glutathione Centennial:Molecular Perspectives and Clinical Implications" ed.by N.Taniguchi,T.Higashi,Y.Sakamoto and A.Meister,Academic Press,pp.161-175 (1989)