1988 Fiscal Year Annual Research Report
放線菌の生産する動物αーアミラーゼインヒビターに関する研究
Project/Area Number |
63560113
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
荒井 基夫 大阪府立大学, 農学部, 教授 (80081537)
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Keywords | アミラーゼ / インヒビター / クローニング |
Research Abstract |
蛋白性αーアミラーゼ阻害剤Tー76ーIの一次構造を決定するにあたり、まず全アミノ酸組成を分析した。その結果、Tー76ーIは約80アミノ酸残基から成り、Met,Leuを含まずLys,Argを各一個含んでいた。従ってTー76ーIを還元カルボキシメチル化した後、トリプシンで消化した。予想通り3個の断片を取得し、それぞれエドマン法によって解析した。その結果、現在までに30アミノ酸残基を決定した。決定したN未領域のアミノ酸配列を、これまでに一次構造が明かにされている他のアミラーゼ阻害剤と比較したところ、高い相同性を示すことが判明した。 Tー76ーIの構造遺伝子をクローン化するにあたり、合成プローブを作製した。先にエドマン法で決定したアミノ酸配列の中で、最も適当と考えられたN末部分のアミノ酸配列に基いて、二種類のプローブを合成した。一つは8種類の混合プローブで、他はTー76ーI生産菌が放線菌であることを考慮して第3文字をC或はGに特定した。生産菌の全DNAを調製し、種々の制限酵素で消化後、二種のプローブとサザンハイブリダイゼーションを行った結果、適当な大きさのハイブリダイゼーションバンドをSmaI消化物(約3.2kbp)、SalI消化物(約2.8kbp)中に見出した。これらのバンドをゲルから抽出し、pUC19と連結後、E.coli HB101に導入してバンクを作成した。現在コロニーハイブリダイゼーション法でポジティブクローンを検索している。 阻害剤Nー61ーIについては、アミノ酸組成を分析した。現在、部分アミノ酸配列を明かにするために酵素消化による断片化を計画している。
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Research Products
(1 results)