1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63560114
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
坂井 拓夫 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (50081500)
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Keywords | 酵母の遺伝子 / 遺伝子の組換え / 異種遺伝子の発現 / 異種遺伝子高発現酵母 / プロトペクチン可溶化酵素 / 酵母のプロモーター |
Research Abstract |
申請者は、先にKluyveromyces Marxianus(KM菌)のプロトペクチナーゼ(ppase)遺伝子をSaccharomyces cerevisiae DKD-5D-H(SC菌)を宿主としてクローニングした。しかし、SC菌中でのppaseの発現は低く、ppaseの生産は極めて不安定であった。本年度は、ppase遺伝子を高発現する宿主の育成について検討し、次の結果を得た。 (1)ppase遺伝子のサブクローン化とSC菌内での安定性:KM菌の染色体よりクローン化したppase遺伝子を含む6kbpのDNA断片を2kbpの断片に縮小した。このDNA断片でもSC菌内では不安定であった。 (2)クローン化したppase遺伝子のSC菌内での発現が不安定である原因の検討:ppase遺伝子を挿入したベクターを導入すると、SC菌はppaseを生産するが、細胞はG1アレストを起して生育が抑制される。一方、ppaseを生産しない細胞が急速に出現する。この原因を調べたところ、ppase遺伝子のプロモーターの領域に組換えが起こり、そのためにppase遺伝子が発現しなくなっていることが明らかになった。 (3)ppase遺伝子を高発現する菌株の育成:ppase遺伝子の組換えを起こさない菌株を誘導すれば、ppaseを高生産するものと考えた。そこで、SC菌をEthylmethanesulfonateで処理して変異を誘導し、ppaseの生産能が親株の約30倍に高まった変異株(SSM-5)をえた。SSM-5の性質を調べたところ、ppase遺伝子の組換え能が低下した菌株であることが明らかになった。また、SSM-5はSaccharomyces diastaticusのグルコアミラーゼなど、異種遺伝子に由来する分泌タンパク質を高生産する変異株であることも明らかになった。
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Research Products
(2 results)