1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63560122
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
長谷川 明 岐阜大学, 農学部, 教授 (10026429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木曽 真 岐阜大学, 農学部, 助教授 (90092931)
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Keywords | ガングリオシド合成 / シアログリココンジュゲイト / 細胞表層複合糖脂質 / 機能性生体糖脂質 / 免疫 / 発ガン / 分化誘導関連生体成分 |
Research Abstract |
動物細胞膜表層に局在し、細胞の機能に関与している複合糖脂質であるガングリオシドの化学合成としての機能解析を目的としている。本年度においては、ガングリオシドの多彩な生物機能を解明するためには、その合成法の開発、ガングリオシド類縁体を多数合成することが不可欠である。我々はこの目的に向けて、つぎの事項を解決することができた。 1.シアル酸各種類縁体の合成:ガングリオシドはオリゴ糖鎖、分子多様性をもつセラミド部分及び9炭糖から成る特異酸性糖であるシアル酸から構築されている。このシアル酸部分のガングリオシドの生物活性に対する役割を知るために、炭素原子が7及8個をもつシアル酸の合成及び8-エピ体の合成に成功し、オリゴ糖鎖への縮合に都合のよい誘導体や、そのS-グリコシドの合成に利用できる類縁体も合成した。 2.ガングリオシド糖鎖の合成:ガングリオシドはオリゴ糖鎖の種類によりガングリオ系、グロボ系、ラクト系及びネオラクト系と分類されている。今年度においてはこのうち、C-1位にてセラミドを結合できるようにトリメチルシリル基で保護し、また糖鎖のガラクトース部の2、3及び4位に保護基をもたない、ガングリオシドG_<M4>、G_<M3>、ラクト及びネオラクト系糖鎖の合成に成功した。 3.シアル酸のα-配糖体の合成法の開発:ガングリオシドの合成はシアル酸のα-配糖体の合成と云っても過言でないほど、困難な点である。そこでシアル酸のα-メチルチオグリコシド誘導体を合成し、各種糖類の1-SEグリコシド誘導体をアクセプターとし、熱動力学的調節を行い、アセトニトリル中にて、DMTST(ジメチルメチルチオ-スルホニウムトリフレイト)をプロモーターとし、結合することにより立体及び位置特異的にそのα-配糖体の合成に成功し、この手法を用いガングリオシドの合成に成功した。今後、より複雑な物質の合成を行う。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Osamu Kanie: J.Carbohydr.Chem.7(2). 501-506 (1988)
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[Publications] Takatoshi Murase: Cargohydr.Res.184. c1-c4 (1988)
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[Publications] Akira Hasagawa: J.Carbohydr.Chem.8(1). (1989)
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[Publications] Akira Hasegawa: J.Carbohydr.Chem.8(1). (1989)
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[Publications] Yukiyasu Ito: J.Carbohydr.Chem.8(3). (1989)
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[Publications] Takatoshi Murase: J.Carbohydr.Chem.8(3). (1989)
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[Publications] K.p.R.Kartha: "SialicAcids 1988" Ba^^<・・>rbel Mende Verlag Wissenschaft Keil,West Germany, 26-27 (1988)