1988 Fiscal Year Annual Research Report
アグロバクテリウム菌が形成するクラウンゴールを用いての二次代謝産物の探索及び生産
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63560129
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
河津 一儀 岡山大学, 農学部, 教授 (30026520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神崎 浩 岡山大学, 大学院・自然科学研究所, 助手 (60183787)
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Keywords | クラウンゴール形成促進 / クラウンゴール形成阻害 / 抗菌性物質 / 凝集活性物質 / 細胞外多糖 / Agrobacterium tumefaciens / Streptomyces / Xanthobacter |
Research Abstract |
1.近年、植物細胞へ外来遺伝子を導入するのに、Agrobacterium tumefaciens菌のTiプラスミドが、ベクターとして用いられているが、一般的実用化のために解決すべき問題が残っている。形質転換した植物組織よりの本細菌の除去と形質転換頻度の向上である。本研究は、これらの問題点を解決するため、本細菌感染に対する制御物質を、微生物資源に求め、その物質の化学的性状およびその生理作用を明らかにし、利用のための知見を得ることを目的としている。 2.バクテリアの1菌株であるXanthobacter sp.KB-3001が A.tumefaciens菌を凝集させるクラウンゴール形成促進物質を生産していることを見出した。この物質PS-1は、分子量約3.5×10^6の酸性多糖で、グルコースとガラクチュロン酸とから成り、その比率は、4:1である。この物質は本菌の植物細胞への付着を助長することによりクラウンゴール形成を促進することを示した。以上の成果は、本菌を植物細胞の遺伝子組換えのベクターとして使用する際、形質転換の頻度を高め得ることを示唆するものである。 3.A.tumefaciensに対して特異的な抗菌活性を有し、クラウンゴール形成を顕著に阻害する物質をStreptomyces sp.KBFP-2025株の培養液から単離し、Oxazolomycinと同定した。この物質KB-1はクラウンゴール形成の極めて早い段階を阻害するのみで、一旦感染が成立した植物細胞に対してはなんら阻害的な影響を示さなかった。この物質のA.tumefaciens菌及びクラウンゴール形成に対する以上の効果は、他の抗生物質には認められないものである。本物質は、100μg/mlの濃度でA.tumefaciensの増殖を抑えるが、クラウンゴールの増殖を全く阻害しなかった。以上の成果は、本物質が、クラウンゴール組織の効率よい無菌化培養に使用できることを示すものである。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Satoru KAWAI,;Akio KOBAYASHI,;Kazuyoshi KAWAZU.: EXPERIENTIA. 45. 201-202 (1989)
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[Publications] Satoru KAWAI,;Goro KAWABATA,;Akio KOBAYASHI,;Kazuyoshi KAWAZU.: AGRIC.BIOL.CHEM.53(4). 1127-1133 (1989)