1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63560130
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Research Institution | Faculty of Agriculture, OKAYAMA University |
Principal Investigator |
小林 昭雄 岡山大学, 農学部, 教授 (30115844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神崎 浩 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (60183787)
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Keywords | チューブリン / 紡錘体 / ウニ / ストレプトピロン / 減数分裂 / 核融合 |
Research Abstract |
ウニ胚において、シングレット微少管は分裂装置の形成と受精直後の雌核雄核融合の2つのイベントに深くかかわっている。これら微小管の関与する事象は、それぞれ高分解能偏光顕微鏡、蛍光顕微鏡を用いることで明瞭に視覚化することができる。紡錘体の形成過程のみ阻害する物質の検索法はウニ胚精密in vivo試験法として確立している。このアッセイ系において我々が微生物の代謝産物から単離したT-1,Curvularinは中心体を標的とし、タル型紡錘体を誘導する特異な活性を示した。これら新規薬剤は、有糸分裂機構の解明のための生化学的試薬としてこの分野に多く貴重な知見を得ることができた。本研究では、新たなタイプの活性を示す特異な微少管配向制御物質が神秘的な有糸分裂のさらなる解明に大きく寄与する事を期待し、ウニ胚精密in vivo試験法を用いて新規な活性を示す化合物を明らかにすることを目的とした。その結果、土壌から分離したカビの培養液中からharveynoneらの新規薬剤を開発することができた。また、核蛍光染色により新たに確立した生物試験法を用いて、有糸分裂を阻害する最低濃度と同レベルで雌核雄核融合を抑える化合物albonoursinと雌核雄核に関与する微小管に特異的に作用するstreptopyroneを発見することに成功した。これら試薬は雌核雄核融合過程における微小管機能に関する新たな知見をもたらすことができよう。また、得られた化合物と既存の紡錘体毒をウニ胚を用いた各種の精密生物試験を用い詳細に解析し、今まで不明瞭に一つにまとめられていた微小管機能の新しい分類の礎を築くことができた。
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[Publications] A.Kobayashi,K.Ooe and K.Kawazu: "A New γ-Dihydropyrone from Streptomyces sp.as a Microtubule Association Inhibitor toward Pronuclear Fusion in Sea Urchin Eggs" Agric.Biol.Chem.
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[Publications] K.kawazu.J.P.Alcantara and A.Kobayashi: "Isolation and Structure of Neoannonin,a Novel Insecticidal Compound from the Seeds of Annona squamosa" Agric.Biol.Chem.
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[Publications] 小林昭雄: "植物細胞培養系での抗菌性物質生産" バイオインダストリーとバイオサイエンス.
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[Publications] 佐藤英美、伊藤知彦、小林昭雄: "核分裂抑止剤による分裂細胞中心体の構造変化の誘導" 蛋白質 核酸 酵素.
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[Publications] M.Arisawa,K.ohmura,A.Kobayashi and N.Morita: "A Cytotoxic Constituents of Lysimachia japonica and the Structure-Activity Relationships of Related Compounds" Chem.Pharm.Bull.
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[Publications] E.Yokota,I.Mabuchi,A.Kobayashi and H.Sato: "Effects of Acylpeptide K-26 on the Motillity of Sea Urchin Sperm Model.II.Mechanism of the Inhibitory Effect of K-26" Cell Structure and Function.