1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63560138
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
猪内 正雄 岩手大学, 農学部, 助教授 (10003782)
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Keywords | 静的安定性 / 動的安定性 / 転倒 / 走行挙動 |
Research Abstract |
本研究の目的は、我が国の伐出作業にはたす役割が今後ますます重要視されるであろう林業用車両の傾斜林地走行に対する安定性の解析を行い、安定性理論の体系化と現用車両の安定性走行に対する作業基準を検討することである。 昨年度に引き続き今年度は、当初の計画どおり、1.林業用車両の静的および動的安定性の試験と結果の解析 2.現用車両の安定限界の測定 3.安定性走行に及ぼす林地傾斜条件の測定と林地走行試験による安定性の測定解析を行った。 得られた主な結果は、以下の通りである。1.集材路上の玉切材運搬を目的とする装輪式小型運材車について、グラップルロ-ダ積込時の安定性解析を行った結果、アウトリガの必要性があらためて認識されたが、もし使用しない場合には特に横方向(50〜130および230〜310°)に対する安定性が問題になる。2.ウインチを使った引寄作業時の安定性解析でも、横方向の安定性が悪く引き寄せ方向が規制される。3.斜面走行時の静的安定性では、最大安定傾斜角は29〜33°、限界登坂角20〜25°である。4.集材路の地表面条件の測定結果、車両の安定性に及ぼす傾斜および地耐力条件の影響は大きくない。5.動的安定性に関係する車両姿勢の変動状態を解析できたが、来年度は慣性モ-メントの測定解析についても検討したいい。 以上当初に計画した今年度の研究計画はほぼ完全に実施・達成された。来年度は今年度の研究結果をもとにして、傾斜地走行に対する安定性理論の体系化と現用車両の傾斜林地走行に対する安定基準の検討を行うためにこれまで得られた資料を解析検討するとともに、若干の追試験を行い研究の総括をしたい。
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