1989 Fiscal Year Annual Research Report
複層林(天然林)施業における路網と搬出機械を組み合わせた高能率搬出システムの構築
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63560144
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 洋司 東京大学, 農学部, 助教授 (00111394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 定元 東京大学, 農学部付属演習林, 教授 (30182918)
仁多見 俊夫 東京大学, 農学部, 助手 (20192255)
南方 康 東京大学, 農学部, 教授 (00011841)
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Keywords | 複層林施業 / 搬出システム / 列状間伐 / トラッククレ-ン / 高密作業道網 / グランドリ-ド方式 / ランニングスカイライン |
Research Abstract |
昭和63年度に続いて最終年度の平成元年度において以下の研究を行った。1.複層林(天然林)施業を目的にした人工林の間伐作業地、宮城県登米町、群馬県下仁田町において、小型林内走行車による搬出調査、林内作業道網の調査を行い、高能率な搬出のための適正林内路網密度、路網配置の評価法を見いだし、さらにコンピュ-タによる路網配置法を究明した。2.東京大学北海道演習林において林分施業(複層林施業)地のウダイカンバ、カラマツ人工林、ヨ-ロッパトウヒそれぞれについて2箇所づつ搬出試験地を設定した。3.集材方法はトラッククレ-ンを用い、各種の方式によって行い、さらに上げ木、下げ木集材、材の先端にキャップを装着する方法等について試験し、全てに時間観測をし、立木、伐倒木、集材距離各種の因子について測定分析した。4.これらの搬出試験については過去3年のデ-タを合わせ、生産性について分析した。トラッククレ-ンの搬出法については、グランドリ-ドよりハイリ-ド方式の方がまたさらにランニングスカイライン方式の方が林地での鼻上げ効果によって功程の面からよいことが分かった。5.キャップを用いることによって搬出材の立木への引掛かり防止になることも分かった。最終的生産性については、1日当り30m^3以上の実績が得られ、理論的に40m^3以上の可能性を得られることも分かった。6.結果についてコンピュ-タシミュレ-ションを行い、クレ-ンのパワ-を増加することによってさらに功程の増加が期待できることも明らかになった。7.複層林施業を目指した搬出法は、最大集材距離100m、林内路網密度70m/haの林内路網を充実させ、トラッククレ-ンによる搬出が適正であること、更にタワ-付集材車等導入することによって省力化も期待できる。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 小林洋司: "林分施業法における搬出システムの構築(I)-トラッククレ-ンによる搬出試験-" 日本林学会大会論文集. 99. 675-676 (1988)
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[Publications] 仁多見俊夫: "林分施業法における搬出システムの構築(II)-トラッククレ-ン集材作業における適切な労働力・機械力投入量と作業システム-" 日本林学会大会論文集. 99. 677-678 (1988)
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[Publications] 仁多見俊夫: "コストおよび労働力・機械力投入量に関する適正作業道開設作業システム" 東京大学演習林報告. 80. 79-108 (1988)
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[Publications] 小林洋司: "複層林施業における搬出と路網配置" 日本林学会関東支部会論文集. 40. 221-224 (1989)
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[Publications] Hiroishi Kobayashi: "Profitable logging Operation System in Thinning with a Truck-crane" 東京大学演習林報告. 81. 95-105 (1989)
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[Publications] 小林洋司: "複層林施業における適正な集材作業システムの構築-トラッククレ-ンによる集材作業シミュレ-ション-" 日本林学会誌.
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[Publications] 小林洋司(分担執筆): "森林作業計画学" 文永堂出版株式会社, (1990)
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[Publications] 上飯坂實: "新林業土木学" 朝倉書店, 196 (1988)