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1989 Fiscal Year Annual Research Report

秩父地方山地帯天然林の更新に関する基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 63560145
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

梶 幹男  東京大学, 農学部(林), 助教授 (00152645)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 大久保 達弘  宇都宮大学, 農学部, 助手 (10176844)
Keywordsイヌブナの健全堅果密度 / イヌブナの実生密度 / イヌブナの実生生存率 / イヌブナ実生の枯死要因
Research Abstract

1.イヌブナ実生の消長
1988年度の調査から、秩父演習林内28林班のイヌブナ林調査区に落下した健全堅果密度は804個/m^2であることが明らかになった。89年度は上記のイヌブナ堅果から発生する実生の消長を追跡すべく調査林分内に2m×30mのベルトを4本設置し、更に各々のベルトを1m×1mの小区画280個に細分して4月12日(予備調査)、5月9日、6月7日、6月27日、8月2日、11月2日の計6回調査を行った。その結果以下の諸点が明らかになった。(1)イヌブナ実生の発生はほぼ4月中旬から5月中旬の間である。(2)実生の発生がほぼ完了した5月9日の平均実生密度は6.07本/m^2であった。この値は前年に落下した健全堅果密度の僅かに7.54%であった。(3)実生密度は5月9日をピ-クに時間の経過に伴って減少し、最終調査日の11月2日には初期密度の28.3%当たる1.72本/m^2になった。これは前回の豊作年の翌年にあたる85年の生存率0.4%に比べて極めて高いことが明らかになった。生存率上昇の理由は、89年2月25日に発生した雨氷害によって同調査林分の林冠が大きく疎開し、林床の光条件が好転したことによるものと考えられる。(4)実生密度の時期別減少速度は6月7日から6月27日の間が0.06本/m^2/日で最も大きいことがわかった。
2.実生の枯死要因
上記の実生数調査の際に枯死要因についても調査を行った。その結果以下の点が明らかにされた。(1)本葉の展開後シャクガ類の幼虫による食害が高い頻度で観察された。(2)梅雨期に多くの実生の葉身上に褐色の病班が観察された。病班は時間の経過に伴い拡大し、それによって枯死した実生個体も数多くみられた。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] 大久保達弘: "秩父山地イヌブナ天然林の雨氷害について" 第101回日本林学会大会.

  • [Publications] 梶幹男: "秩父山地イヌブナ天然林における堅果落下量と実生の消長-1988年の豊作年を中心として-" 東京大学農学部演習林報告.

URL: 

Published: 1993-03-26   Modified: 2016-04-21  

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