1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63560151
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山本 進一 岡山大学, 農学部, 助教授 (60191409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 喬三 岡山大学, 農学部, 教授 (10036741)
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Keywords | ヒノキ / 木曽地方 / 赤沢学術参考保護林 / 天然更新施業 / 森林動態 / 実生の定着 / 天然林の維持機構 / 根株更新 |
Research Abstract |
設備備品である太陽エルネギ-多点測定システムは予定通り納入され、赤沢学術参考保護林での測定に使用されている。研究は計画通り順調に進み、以下のような知見が得られた。 1)入手が加わった記録のない林分では、孤立木的に針葉樹のゴヨウマツや広葉樹のウダイカンバ・ホオノキ・ミズナラなどの林冠木が混交していた。林冠が閉鎖した部分にはこれらの幼樹や稚樹が存在しなかったが、伊勢湾台風によるギャップ内では認められ、特にゴヨウマツの固体数は多かった。 2)発芽当年の稚樹の生存率は、一般的に低かった。ヒノキとサワラを比較するとサワラの方が低い傾向があった。上層林冠の疎開によってヒノキの生存率は高まり、地床処理はこれをさらに高めた。閉鎖林分の林床ではヒノキ、サワラとも、地床より伐根、倒木上で生存率が高い傾向があった。サワラはヒノキと異なる更新(繁殖)戦略をとっていると考えられた。 3)種子生産量の測定から、ヒノキとサワラの豊作年の周期は異なっていることが推測された。 4)赤沢学術参考保護林では、根元部分が持ち上がった根上がり状態の林冠木が特異的に認められるが、これは他樹種に比べてヒノキに多く認められ、伐根上に更新したものと考えられる。 5)大面積(4ha)永久調査地を設定し、dbh=5cm以上の全ての樹木の樹種名・dbh・生死・位置・根上がりの有無・ナンバ-テ-プの貼付を行った(総数約8,000本)。現在、解析用プログラムの開発ならびにデ-タの入力を終えた。直径分布ならびに階層毎の空間分布の解析中である。
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[Publications] 山本進一: "木曽・赤沢ヒノキ林の組成と林分構造" 第101回日本林学会発表論文集. (1990)
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[Publications] Snin-icni Yamamoto: "Regeneration ecology of Chamaecyparis obtusa and C.pisifera" Abstract for V Intarnational Congress of Ecology. (1990)