1989 Fiscal Year Annual Research Report
木材資源の有効利用と供給システムに関する計量的研究
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63560152
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
行武 潔 宮崎大学, 農学部, 助教授 (30174832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 晋 宮崎大学, 農学部, 講師 (40183925)
中島 能道 宮崎大学, 農学部, 教授 (30040827)
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Keywords | 木材需給 / 流通 / 木材供給システム / 線型計画法 |
Research Abstract |
円高や関税引き下げ等林業、木材産業を取り巻く環境の変化に対応する間もなく、今度は米国がス-パ-301条を適用すると発表、木材も対象品目の一つとなった。その対象は単に製品に対する関税に留まらず、土地や住宅政策等広範囲に及び、その究極の狙いは、米国製の針葉樹合板を用いた住宅を輸出することにあるという。既に住宅輸入計画が数企業で進められており、輸入住宅ブ-ムが起きつつある。このように、昨今の木材消費地の需給や流通は大きな変化をみせている。これらに対応できる木材の供給システム化を図るには、消費地の実態を的確に把握する必要がある。今年度は、県の協力も得て、首都圏の需給、流通のアンケ-ト調査等を実施した。また、産地を代表して、宮崎県の諸塚村、東郷町の森林組合の木材資源及び供給実態を踏まえ、最適な伐採計画と労働配分問題を、線型計画法によって検討した。その主な成果は、以下の通りである。(1)首都圏は東北、上越新幹線、JR、私鉄等の整備にともなって更に広がり70km圏に及び、住宅需要もこれら外縁部に多い。(2)木材の需要、流通もこれら外縁部が主体となってきている。(3)同時に、地元の大工・工務店棟を傘下に入れつつ、大手の住宅企業がこれら外縁部に進出してきている。(4)木材流通も従来とは異なり、これら大手住宅企業が直接住宅部材として仕入れ、消費しているケ-スが増えてきている。(5)機械プレカットの導入によって、これら大手住宅企業が流通を遡り、直接産地の製材工場等と取り引きするようになってきた。(6)木材も単なる製材品として出荷するのではなく、これら大手住宅企業も含めた末端需要に直結した住宅部材として太いパイプの供給システム化が必要である。(7)伐採は、主伐ではかなり効率的な計画が実施されているが、間伐は、出材量に左右され、適正な労働配分が為され難い。(8)葉枯らしは労働効率を高めるので積極的に行った方がよい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 行武潔,中島能道他: "円高に伴う木材・加工流通の変化と問題点" 日本林学会発表論文集. 100. 29-30 (1989)
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[Publications] 行武潔,中島能道他: "首都圏における木材需給と流通構造変化" 日本林学会発表予定. 101. (1990)
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[Publications] 中島能道,行武潔他: "南九州国有林における集材作業班の生産行動に関する研究" 日本林学会発表予定. 101. (1990)