1988 Fiscal Year Annual Research Report
接着および釘着木質材料の海岸地域における耐久性評価
Project/Area Number |
63560170
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
作野 友康 鳥取大学, 農学部, 教授 (10032567)
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Keywords | 木材および木質材料 / 釘着および接着接合 / ダブルラップせん断試験 / 海水および水道水浸せき-乾燥繰返し暴露 / 塩分収積量 |
Research Abstract |
1.ブナおよびアカマツの挽板をコアーとして、その両面に同一材料および木質材料(合板、ファイバーボード)を添板にしたダブリラップ引張せん断試験片を作製した。試験片は(1)釘接合、(2)接着接合(接着剤2種類)、(3)釘・接着剤併用接合(以下併用接合という)の3接合法のものを準備した。 2.各試験片については次の暴露条件に暴露した後引張せん断試験を行い試験力を測定した。(1)常態、(2)水中減圧浸せき:海水(塩分濃度3.06%)および水道水中に24時間浸せき、(3)浸せき-乾燥繰返し:海水および水道水中に24時間浸せき後100℃で24時間乾燥の操作を1〜5回繰返す。また、海水浸せき-乾燥繰返しによる材料の塩分集積量を塩分分析計を用いて測定し、さらに同様の処理をした場合の釘の錆発生状況も調べた。 3.実験の結果、(1)常態試験における接合力は釘接合では接着あるいは併用接合より低い値を示したが破壊までの仕事量は大きかった。接着接合ではこの逆の結果となり併用接合でもほぼ同様の傾向であった。(2)水中減圧浸せきでは海水と水道水浸せきによる接合力の差はほとんどみられなかったが、併用接合の場合には接合力の低下が他の接合方法に比べて海水浸せきにおいて大きくなった。(3)浸せき-乾燥繰返し試験では接着および併用接合の場合、繰返し数が多くなるにつれて接合力は低下したが釘接合ではほとんど変化しなかった。海水に浸せきした場合には水道水に浸せきした場合より低下割合が大きかった。塩分の収積量は繰返し数とともに増加し、ファイバーボードが最も顕著であった。釘の錆発生は海水に浸せきした場合に著しく増大した。 4.大型のダブルラップ引張せん断試験片を多数準備し、これらを日本海沿岸の砂丘地および海風の影響を受けない学内の苗畑にそれぞれ暴露した。今後、暴露後の各試験片の接合部劣化状態を検討する。
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Research Products
(1 results)