1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63560176
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture. |
Principal Investigator |
塩倉 高義 東京農業大学, 農学部, 教授 (80078104)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 純 東京農業大学, 農学部, 助教授 (20112881)
|
Keywords | 早成樹種 / 材質指標因子 / 樹幹内材質変動 / 未成熟材部 / 被削性 / 切削抵抗 / 比重 / 加工性 |
Research Abstract |
I.熱帯産早成樹種は、地位・植栽本数によって同一林分内でも成長が異なり、そのため組織と材質の変動が異なっている。したがって、早成樹種の材質指標因子として、木繊維長、道管要素長、管孔の大きさ・分布数、放射組織の占有率、比重などを選び、樹幹内水平方向の変動を調べた。また、これらの変動の総合的パタ-ンから、直径の異なった早成樹種の場合の材質指標因子の変動が安定する位置を検討した。実験材料はフィリピン産のAlbizia,Anthocephalus,Gmelina,さらにブラジル産のEucalyptusを用いた。その結果、木繊維長はいずれの樹種も髄付近で0.5mm、樹皮付近で1.5〜1.8mmであった。道管要素長:樹種や直径の大きさにかかわらず、髄付近では0.2〜0.3mmで、外周部に向かって緩やかに伸長し、ある一定の位置からは安定した。管孔の大きさ:髄付近では0.1mm以下で、外周部に向い大きくなり、ある一定の位置から安定していた。管孔の分布数:いずれの樹種も髄付近で最大値を示し、髄から1〜2cmの位置までは急激に減少した。放射組織の占有率:髄付近で最小で、外周に向かって占有率は大きくなり、ある位置から外側では一定となっていた。比重:いずれの樹種とも髄から外周に向かってわずかに比重は大きくなる傾向を示した。以上のことから、早成樹樹幹内の材質指標因子の変動は本邦産広葉樹と同様に髄から外側に向かって急激に変動するが、成長の異なる早成樹材でも髄からの距離でおよそ4〜9cmの外側で安定する。 II.早成樹種の被削性として、切削抵抗、カ-ル半径、裏割れ深さ、加工面粗さなどについて、特に比重との関係で本邦産のマカンバにくらべて加工性が極端に悪くなかった。Albizia、とGmelinaと比較するとAlbizinaの方が加工性はよいと思われる。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] H.OHBAYACHI and T.SHIOKURA: "Anatomical structure of fast-growing tropical tree species with differing growth rates." IAWA Bulletin n.s.10(3). 342 (1989)
-
[Publications] T.SHIOKURA and H.OHBAYASHI: "Wood anatomical characteristics and density of fast-growing tree species in relation to growth rates." Mokuzai Gakkaishi,submitted to Product Finishing.(1990)
-
[Publications] 塩倉高義: "熱帯早成樹の樹幹内における組織構造の変動" 日本木材学会大会研究発表要旨集. 450 (1988)
-
[Publications] 塩倉高義: "成長の異なった熱帯産早成樹材の組織について" 日本木材学会大会研究発表要旨集. 309 (1989)