1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63560181
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塚本 勝巳 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (10090474)
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Keywords | ウナギ / 耳石 / 耳石輪絞 / 耳石日周輪 / 日齢査定 / レプトケファルス / 産卵期 / シラス |
Research Abstract |
本研究で予定した研究計画はほぼ完遂した。得られた成果の概要は以下の通り。 (1)接岸時の日齢:鹿児島より宮城に至る日本沿岸と台湾韓国で得たシラスウナギの日齢は120〜210日で、漁期の早期に接岸するシラス程、若齢である傾向が認められた。また低緯度の漁場程、若齢魚が加入する傾向があった。これらはさらに被験個体数を増やして検討する必要がある。 (2)産卵期:解析したシラスの日齢と採集月日(加入時期)から逆算して個体毎に孵化日を求めた所、本種の産卵期は4〜12月で、およそ7月がその最盛期と考えられた。 (3)加入機構:早く生まれた個体程、漁期の早期に漁場に加入し(接岸)する。しかし、体長は加入時期の早晩を問わず50〜60mmとほぼ一定であった。加入時期を決める最重要の決定要因は孵化時期であると推測される。 (4)レプトケファルスの成長と変態:人工孵化仔魚とフィリピン沖で採集されたレプトケファルスおよび日本沿岸のシラスウナギの耳石輪絞の成長様式を調べた。ウナギの成長は孵化から変態前までほぼ直線的で、日齢(X)と全長(Y)の関係は次式で表わされた。Y=0.46X+2.87また輪絞間隔が急増する部分が変態開始に対応すると考えると、ウナギがレプトケファルスからシラスへ変態を開始するのは孵化後約4ヵ月であると推定された。 (5)色素の発現様式:シラスにおいて色素の発現・発達を調べてみると、まず頭頂部又は脊椎骨前端か後端に色素胞が出現することがわかった。やがて頭部・脊椎骨の色素は数が増え、頭部背面と脊椎骨の全体にわたって黒くなった。現在、色素の発達程度と日齢・孵化日・場所の関係を検討している。 (6)成果の公表:これらは5編にわけて公表し、谷2編投稿中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Kajihara: Nippon Suisan Gakkaishi. 54(6). 941-946 (1988)
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[Publications] K.Tsukamoto: Preliminary Report of The Hakuho Maru Cruise KH-86-4. 30-31 (1988)
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[Publications] K.Tsukamoto: Preliminary Report of The Hakuho Maru Cruise KH-86-4. 32-44 (1988)
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[Publications] K.Tsukamoto: Preliminary Report of The Hakuho Maru Cruise KH-86-4. 45-47 (1988)
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[Publications] A.Umezawa: Japan.J.Ichthyol.35(4). 440-444 (1989)
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[Publications] K.Tsukamoto: Nippon Suisan Gakkaishi.