1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63560193
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
平山 和次 長崎大学, 水産学部, 教授 (80039718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
夏刈 豊 長崎大学, 水産学部, 助教授 (10039729)
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Keywords | シオミズツボワムシ / L型・S型 / アイソザイム / 遺伝的変異 |
Research Abstract |
日本を中心に世界各地より集めたワムシ群からそれぞれ1個体を分離し、それを単為生殖によって増殖させたものを1ストレインとした。各ストレインについて、後頭棘の先が鈍角であるか鋭角であるかによってL型かS型に分けた。L型30ストレイン、S型37ストレインが得られた。形態の違いを求めるために、各ストレインのワムシを初産卵からふ化させ、生物学的最小形になった20個体の背甲長等7か所の部位の測定を行った。単為生殖によって増殖させた各ストレインの試料をプランクトンネットで集め、それを-30℃で凍結、保存した。それを解凍することによって生じたドリップを粗酵素液として用い、デンプンゲル電気泳動法により、LOH等の18種の酵素について、そのアイソザイムを検出した。 形態測定の結果により、L型とS型は形態的にかなりの相異があることを再確認した。調べた18種の酵素のうち、10種には変異が認められ、さらに、LDH、SOD等少なくとも6種の酵素はアイソザイムと認められた。アイソザイム遺伝子座数は6であった。各遺伝子座のアイソザイムパターンは、L型とS型との間にはかなり異なった。特に、sod遺伝子座にはA、B、C、Dの4対立遺伝子が推定され、L型ストレインはBとD、S型ストレインはAとCをもち、L型とS型はsod遺伝子座に関しては、共通な対立遺伝子をもっていないことがわかった。
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Research Products
(2 results)