1988 Fiscal Year Annual Research Report
魚類味覚における末梢受容野-中枢間結合の個体発生の追跡
Project/Area Number |
63560195
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
清原 貞夫 鹿児島大学, 教養部, 助教授 (50117496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼頭 純三 名古屋大学, 医学部, 助教授 (60022802)
山下 智 鹿児島大学, 教養部, 教授 (30041784)
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Keywords | 味覚 / 第一次味覚中枢 / 顔面葉 / 味蕾 |
Research Abstract |
1.マダイ、トラフグ、ヒラメの種々の個体発生段階の仔稚魚を県内の種苗供給センターより入手し、以後の目的に応じて固定した。 2.本実験の中で最も重要な材料のゴンズイについては、4〜7月にかけて親魚を採集して合計18組のつがいを作り、流水式か循環式水槽で飼育した。この内5組で産卵がみられ、最終的にふ化に成功したのは1組であった。その後ふ化仔魚は順調に成長し、ふ化後50日まで毎日5〜10尾づつ固定することができた。 3.ゴンズイとトラフグの仔稚魚の一般組織標本を作成し、味蕾の出現と顔面葉形成過程の概要を追跡した。ゴンズイの触鬚はふ化後2日目で4対すべての原基が確認でき、2対の下顎触鬚が他の2対に比べ長いことがわかった。味蕾はふ化後6日目で触鬚と鰓弓で始めてみられた。トラフグでは、ふ化後10〜14日目で始めて味蕾が咽頭底で確認された。 4.ゴンズイの第一次味覚中枢は、ふ化時では未分化の左右1対の感覚柱として認められ、ふ化後6日目で顔面葉と迷走葉の分化がみられ12日目で顔面葉前方で5対の小葉が出現した。 5.ゴンズイの触鬚の味蕾を走査型電子顕微鏡で観察した。ふ化後5日目で触鬚表面に上皮の隆起がみられ、6〜7日目で直径3〜4μm程の味孔がみられた。その後味孔の直径が大きくなると共に味蕾の分布密度が急激に上昇した。 6.今年度は、マダイ、ヒラメの一般組織標本を作り、ゴンズイとトラフグで得られた結果と比較する。一方、ゴンズイでは三次元解析装置を使い顔面葉形成過程を定量的に解析すると共に味蕾の形成過程を透過型電子顕微鏡による観察で更に詳細に調べる予定である。
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