1989 Fiscal Year Annual Research Report
魚類味覚における末梢受容野-中枢間結合の個体発生の追跡
Project/Area Number |
63560195
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
清原 貞夫 鹿児島大学, 教養部, 助教授 (50117496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼頭 純三 名古屋大学, 医学部, 助教授 (60022802)
山下 智 鹿児島大学, 教養部, 教授 (30041784)
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Keywords | 味覚 / 味蕾 / 味覚神経 / 第一次味覚中枢 / 魚 |
Research Abstract |
1)昨年度非常に苦労したゴンズイの種苗生産は順調に進み、実験に必要な色々な発生段階の稚仔魚を十分作ることが出来た。コイについては県の水産試験場から種苗を得ることが出来た。 2)ゴンズイ、コイ、マダイ、ヒラメ、トラフグの色々な発生段階の稚仔魚のパラフィン10M連続切片を作り、味蕾の出現時期と部位、分布域の広がり、顔面葉の形成過程の概要を追跡した。 3)味蕾の出現時期と部位については、コイでふ化後1日以内で鰓弓と口蓋器、ゴンズイでふ化後5日で触鬚と鰓弓、トラフグでふ化後10日で口腔内後方上皮と口腔弁、ヒラメでふ化後12日で鰓弓、マダイでふ化後15日で咽頭部であった。 4)コイとゴンズイでは味蕾は体表(触鬚)と口腔内(鰓弓)の二ケ所から様々な部位に広がるのに対して、他の魚腫では口腔内(鰓弓や咽頭部付近)だけから広がる傾向がみられた。 5)ゴンズイ触鬚の味蕾の形成過程を走査型及び透過型電子顕微鏡で調べた。味蕾は触先端で最初にみられ、その後基部に向かって増加した。ふ化後5日で成熟味蕾でみられる三種の細胞が確認でき、細胞数はふ化後20日まで増加した。 6)ゴンズイの顔面葉形成過程を三次元画像解析装置を使い定量的に解析した。顔面葉後方から個々の触鬚に対応した4個の小葉構造が出現し、成長に伴い真っ直ぐ前方に伸びて行くことがわかった。コイの顔面葉は発生の初期は明らかに左右わかれており、その後左右が融合することがわかった。 7)この研究より顔面味覚第一次中枢である顔面葉の分化は末梢の味蕾の密度と分布域の広がりに密接に関係し、顔面葉の構造様式には一定の法則性があることがわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kiyohara,S.: "Central projections of major branches of the facial nerve in the Japanese sea catfish" Olfaction and Taste IX(S.Roper and J.Atema ed.)Annals New York Academy of Sciences. 510. 419-421 (1988)
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[Publications] Marui,T.: "Neural connections of the facial and vagal lobes in the Japanese sea catfish,Plotosus anguillaris" Olfaction and Taste IX(S.Roper and J.Atema ed.)Annals New York Academy of Sciences. 510. 466-467 (1988)
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[Publications] Marui,T.: "Topographical organization of taste and tactile neurons in the facial lobe of Japanese sea catfish" Brain Research. 446. 178-182 (1988)
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[Publications] Kiyohara,S.: "Anatomical studies of the facial taste system in teleost fish" The Beidler Symposium on taste and smell.(I.J.Miller ed.)book Service Associates. 127-136 (1988)
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[Publications] 鬼頭純三: "ゴンズイ(plotosus lineatus)触鬚味蕾の生後発育" 第23回味と匂のシンポジウム論文集. 23. 159-162 (1989)
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[Publications] 清原貞夫: "ゴンズイ第一次顔面味覚中枢の形成過程" 第23回味と匂のシンポジウム論文集. 23. 245-248 (1989)