1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63560201
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Research Institution | Tokyo University of Fisheries |
Principal Investigator |
渡辺 悦生 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (00017055)
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Keywords | 生菌数 / 微生物センサ / 腐敗菌 / アルテロモナス・ピュトレファッシェンス / シュ-ドモナス・フルオレッセンス |
Research Abstract |
これまでに提案された各種生菌数計測法は培養に長時間を要し、操作も煩雑であった。そこで、平板計数法の考えに基づいた簡単、迅速な生菌数計測法の開発を目的に生菌数センサを試作した。また、試料として、5℃に貯蔵したマグロ、サバを用いてその生菌数を計測した。 まず、A.putrefaciens,E.Coli(いずれも昨年実験済み)、Staphylococcus,P.fluorescensを各至条件下に培養後、その培養液を希釈してメンブランフィルタ-を用いてロ過し、菌体を膜面上に吸着固定した。次に、このフィルタ-を直径1cmの円に切り抜き、酸素電極の先端に装着し、さらにその上から透析膜でこれを被覆して生菌数センサを構成した。本センサを酸素飽和のリン酸緩衝液および無菌状態の培養液中に挿入し、その時の微生物の呼吸活性の差を測定した。従来法としては平板計測法を用いた。 得られた結果を要約すると以下のとうりである。 A.putrefaciens,E.Coli,staphylscoccus,P.fluorescensの各菌とも10^6〜10^8/m の範囲で、センサの出力と従来法から求められた菌数との間には直線的相関が得られた。また、実際の魚肉中にはこれらの菌が共存していることを考え、これら4種の菌を任意に混合し、その全菌数を求めたところ、平板計数法で求めた菌数とセンサ出力からA.putrefaciens換算で得られた菌数との間には多少バラつきはあるものの良い相関が得られた。さらに、5℃に3日間貯蔵したマグロ、サバ筋肉1g中の総菌数については、平板計測法て得られた値とセンサ出力からA.putrefaciens換算で得られた値との間には良い相関が得られた。 現在、群魚の貯蔵温度を考えて、A.putrefaciensやP.fluorescensなどが優勢に存在する場合、センサの応答がどのように影響されるかを検討中である。
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