1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63560221
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
佐藤 晃三 岩手大学, 農学部, 教授 (20003741)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉島 栄一 岩手大学, 農学部, 助手 (30178082)
|
Keywords | 融雪流出 / 融雪モデル / 積雪 / 熱収支 |
Research Abstract |
平成元年度における研究内容は、(1)既往の積雪・融雪変換モデルの比較研究と、(2)融雪機構に関する現地試験とに分かれるが、それぞれの研究実績の概要は以下のとおりである。 1.流出解析における積雪・融雪変換モデルの検討 現地で容易に利用できる気象観測資料を用いた実用的な四つの積雪・融雪モデルを取り上げ、それらモデルの適合性を検証するとともに、モデルのパラメ-タとモデルによる降水量、融雪量の推算値とについて検討を行った。 解析に用いた資料は、北日本の8地点における合計60冬期間の気象資料と積雪資料である。 四つの積雪・融雪変換モデルの適合性の実態ならびに各モデルの地域的な、また年ごとの変化から、さらにモデルの改良が必要であることを指摘するとともに、新たな積雪・融雪変換モデルを作成するにあたっての留意点を明らかにした。その成果については農業土木学会論文集に発表した。 2.融雪機構に関する現地試験 1985年冬期以降、本学御明神牧場で実施している融雪量と気象要素との観測資料を解析し、積雪期の融雪状況および融雪期における積雪表層の熱収支について検討した。 融雪熱量に占める放射収支量の割合は大きく、その値は75〜85%であった。また潜熱は蒸発による場合がほとんどで、融雪には負の効果をもつことが多かった。 地中熱量に起因する地面融雪量は厳冬期においても常に認められ、その値は0.4〜1.8mm・d^<-1>の範囲にあり、平均0.91mm・d^<-1>であった。これらの知見については本学農学部報告に発表した。
|
Research Products
(2 results)