1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63560227
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
畑 武志 神戸大学, 農学部, 助教授 (70031193)
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Keywords | 流出モデル / 都市化 / 水質汚濁 / 水管理 |
Research Abstract |
排水の量的側面に関して、開発による流出の変化をとらえて、現況の排水量と開発後の排水量を予測し、排水面からも合理的な開発計画を立てる必要がある。分布貯留型モデルについて、流域特性を代表集水区の特性で表わし、モデルパラメ-タについても改良を行ない英国の試験流域を含む4つの流域に適用した。その結果、検証期間におけるモデル評価値は同定期間と同じ程度の値となり、大流域から小試験区まで、また豪雨時流出から長期の流出にまで適用可能であることが認められた。屋外小試験区のほか、室内実験槽での人工降雨による試験でもモデルの検証を行なった。 このようなモデルを基にして、排水面からも問題の少ない都市化を考え、水域の環境の保全をはかる「流域水計画」について濃尾地域等での調査を基に検討を行なった。排水の質的側面についても、昨年度適用を試みた水質特性評価に関するモデルによって、水域の質的な管理を実現するための方策について論じた。 水質面はもちろんのこと、開発による排水量の面からみても、排水の管理による水域の保全は、流域で活動する人々の理解と協力なしには実現しない。「都市化現象」は空間的には都市と農村の異質の文化の出会いであり、時間的には一つの歴史の転換期を意味するとみることができる。文明の最新の技術を駆使したハ-ドな水管理システムではなく、新しい文化の形成につながるような、風土に合致した地域独自の人間味のあるシステムを造り上げていくためのさまざまな方法を提示した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 畑 武志: "河川流域からの流出負荷の推定と「単位負荷」による水質管理の可能性ー琵琶湖集水域を例にしてー" 環境情報科学. 19. 78-82 (1990)
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[Publications] 畑 武志: "「環境用水」の現状と今後の方向" 環境情報科学. 19. 114-118 (1990)
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[Publications] 畑 武志: "The application of a simple lumped river flow forecrsting model to hillslope soil water storage estimation." CATENA. 17. 249-259 (1990)
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[Publications] 畑 武志: "Necessary conditions for the development of waterfronts as desirable environments" Marine Pollution Bulletin.
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[Publications] 畑 武志: "The estimation of unit loads from various land uses for the management of water quality in river basins" Proc.8th AfroーAsian Regional Conference,ICID.