1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63560230
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
戒能 治 愛媛大学, 農学部, 助手 (30112254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉武 美孝 愛媛大学, 農学部, 助教授 (20033326)
大橋 行三 愛媛大学, 農学部, 教授 (10036296)
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Keywords | 水質汚染 / 底質 / 魚類養殖 / 溶存酸素 / 有機物 / 酸化還元電位 / 水質 |
Research Abstract |
リアス式内湾の有機物に汚染された底質の軽減除去を目的とし、北灘湾を代表地区として現地調査・観測を行った。即ち、昭和63年度は湾内の利用状況調査及び利用経緯の調査、深浅測量などの地形調査、自記潮位計の設置および測定の開始、購入した機器のテストおよびキャリブレ-ションなどを行った。本年度はそれらの結果を参考にして7観測地点を選定し、水質および底質について定期的な観測を行うと共に、潮位や湾内の流速分布などの海象の観測および気象資料の収集を行った。また底質についてはその有機物成分の分析、物理性試験、その酸素消費量を実験的に求め、底質浄化のための対策方法を検討した。調査結果から次の結果を得た。1.水質指標(海水温度,濁度,Eh,pH,電導度,DOの鉛直分布および透明度)を月1回程度の観測を行い、その経時変化を求め、気象(風,降雨)や給餌方法の変更等の人為的事象との関係を考察した。2.底質についてはEh,pH,温度の経時変化調べ、同様の考察を行った。3.流速鉛直分布および平面分布を求め、水質指標の測定結果と合わせ、特に夏季に海水交換がなされない原因を考察した。4.底質の酸素要求量を実験的に調べ、その消費速度と消費量を求めると共に、その指標としてEhの測定が有意であることを示した。5.底質の分布を行い、その有機物汚染量を求めると共に他の調査結果との比較を行った。6.調査および実験などを総合的に検討し、閉鎖性内湾に適合した一海水交換工法を提案した。この工法は湾出入り口付近でのみ往復している海水を潮汐力を利用して強制的に湾内低層を循環させ、溶存酸素を定常的に供給し、底質の酸化分解を促進させるものである。7.この他、底質の物理性試験、ウネリやセイシュが水質や底質に与える影響、湾内の海水交換可能量、海水交換後のDO,底質Ehの最低目標値を求めた。
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