1989 Fiscal Year Annual Research Report
膜利用による青果物のCAセル貯蔵に関する基礎的研究
Project/Area Number |
63560236
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
芋生 憲司 東京大学, 農学部, 助手 (40184832)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬尾 康久 東京大学, 農学部, 助教授 (80011914)
|
Keywords | 膜 / 気体分離膜 / CA貯蔵 / 二酸化炭素排出 / 酸素導入 / 窒素導入 |
Research Abstract |
前年度は、CAセルとガス交換システムを試作しCAセル内の濃度制御を行うためにガス交換システムに3つの機能を持たせた。そのうち二酸化炭素排出操作、酸素導入操作については良好な結果が得られ、窒素導入操作については再検討の必要があることを報告した。本年度は窒素導入操作の可能性と酸素導入操作における分離特性の向上について検討した。酸素導入操作、窒素導入操作とも外気を気体分離膜に供給し、透過側には酸素富化気体が得られたが、非透過側には窒素富化気体は得られなかった。そこで一つの分離膜で酸素導入操作と窒素導入操作が可能かどうか検証するためにコンピュ-タシミュレ-ションを行った。供給気体は酸素21%、窒素79%の二成分混合ガスとした。気体分離膜に供給される気体流量に対する透過気体流量の比をカットとし膜供給側圧力に対する透過側圧力の比を圧力比とすると、シミュレ-ションの結果、カットが小さいほど透過側により高濃度の酸素を得ることができカットが大きいほど非透過側により高濃度の窒素を得られ、いずれの場合にも圧力比は小さいほど濃度を高め得ることが認められた。つまり酸素導入操作の際にはカットを小さくし、窒素導入操作の際にはカットを大きくすればよいことになる。したがって、気体分離膜に供給する気体の流量と透過流量、すなわちカットを選択することにより一つの気体分離膜で酸素導入操作、窒素導入操作が可能であることが分かった。ガス交換システムを改良し圧力比を小さくするために透過側を真空ポンプにより減圧できるようにした。また気体供給用エアポンプに接続するパイプを2つに分流し片方には流量調節弁を設けて供給気体の流量を減らし、どちらのパイプを通過するかによってカットを二種類選択できるようにした。今後はこのシステムを用いたガス濃度制御実験により、様々なCA条件に対応する気体分離膜の選択基準を作成していく予定である。
|