1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63560268
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
前田 芳實 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (50041661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 新 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (70158814)
橋口 勉 鹿児島大学, 農学部, 教授 (80041614)
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Keywords | 肉用牛 / 蛋白質代謝回転 / 3-メチルヒスチジン / 筋肉蛋白質 |
Research Abstract |
筋肉蛋白質の蓄積量ならびに蓄積速度は、筋肉蛋白質の合成速度と分解速度の2つの要因により大きく左右される。したがって、肉用家畜において、筋肉蛋白質の合成速度と分解速度の実態を把握することは、産肉性向上の基礎的知見を得る上からも、極めて重要である。従来、肉用牛の産肉性向上に対する育種学的研究は、主として、統計遺伝学的観点からアプローチを試みたものが多く、遺伝生化学的観点からの研究はまだ殆どなされていないのが現状である。本研究は肉用牛の産肉性向上に対して、遺伝生化学的観点からの育種法を開発することを目的として、(1)肉用牛の筋肉蛋白質代謝回転速度の測定法を確認し、(2)発育初期における肉用牛の筋肉蛋白質代謝回転速度の評価を試みた。 材料には、生後6ケ月の黒毛和種雌3頭を供試した。飼料には乾草と穀物を主体にした動物性の飼料成分の含まれないものを給与した。筋肉蛋白質代謝回転速度の評価は尿中に排せつされる3MH(3-methy Lhistidime)量を指標として評価した。3MHはDowe×50-×4(Pyridine form,200-400 mesh)カラムにより分離溶出された。まずはじめに、酸性および中性アミノ酸を200mlの0.2M Pyridineで洗い流し、その後100mlの1M Pyridineで3MHをフラクションコレクターで回収し、オルトフタルアルデヒドを含むニンヒドリン溶液にて定量した。筋肉蛋白質の分解速度は全筋肉中の3MHプール量に対する。3MHの1日排せつ量の比率から評価し、合成速度はFunabiki(1976)の公式により、増対量をもとにして推定した。 6ケ月齢の黒毛和種の平均体重は、198kgで、その時の筋肉蛋白質の分解速度は平均で1.82%/日と評価され、合成速度は2.33%/日と推定された。分解速度の評価には個体間でバラツキが大きく、分後の検討が必要である。
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