1988 Fiscal Year Annual Research Report
反芻胃プロトゾアのホスホエノールピルビン酸ホスホムターゼに関する研究
Project/Area Number |
63560273
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀口 雅昭 東北大学, 農学部, 教授 (20011869)
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Keywords | 反芻胃プロトゾア / ホスホエノールピルビン酸ホスホムターゼ / ホスホノピルビン酸 |
Research Abstract |
ホスホエノールピルビン酸ホスホムターゼ (C-Pムターゼ) は、反芻胃プロトゾアをはじめ多くの下等生物に含まれる新しい酵素である。これは解糖系とC-P化合物代謝系とを結ぶ鍵酵素と考えられているがその実態は不明である。そこで、反芻胃プロトゾアにおける本酵素の機能を明らかにするため、これを精製し、性質を調べようとした。 1.C-Pムターゼの定量法: 本酵素によりホスホエノールピルビン酸 (PEP) からホスホノピルビン酸 (PnPY) を生成させ、これをジニトロフェニルヒドラゾン誘導体として高速液体クロマトグラフィーで分離する化学定量法の改良を図り、分析を24時間で完了し、定量限界を50pmolに下げることができた。また、酵素定量法も検討し、生成PnPYをpH7.2、アスパラギン酸の存在下、アスパラギン酸トランスアミナーゼでアミノ化し、この際生じるオギザロ酢酸をNADH存在下、リンゴ酸脱水素酵素で定量する方法を開発した。さらに、これらとは逆の反応を利用し、pH7.6においてPnPYからPEPを生成させ、これをADPとNADH存在下、ピルビン酸キナーゼと乳酸脱水素酵素で定量する方法を検討し、毎分10nmolのPEP生成を測定することができた。 2.C-Pムターゼの精製と性質: めん羊の反芻胃から常法により混合プロトゾアを集め、超音波破壊後、可溶画分を硫安塩折すると、活性は60-80%飽和沈澱画分に集まった。これをゲル濾過およびイオン交換クロマトグラフィーに附し、活性を約200倍に濃縮したが、電気泳動的には、まだ不純であった。活性発現にはMgイオンが要求された。上記の硫安沈澱画分を陰イオン交換樹脂により分画後、化学定量法とPnPら合成の逆反応を利用した酵素定量法とによって測定すると、酵素活性値は異なり、C-Pムターゼには2種以上存在することが示唆された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Takada,T.,Suzuki,M.,Oikawa,K.,Horiguchi,M.: J.Protozoology.