1989 Fiscal Year Annual Research Report
大量培養ちよる骨格筋衛星細胞の食肉蛋白質の分離利用に関する基礎的研究
Project/Area Number |
63560275
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
池内 義秀 新潟大学, 農学部, 助教授 (90168112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 敦士 新潟大学, 農学部, 教授 (40018792)
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Keywords | 衛星細胞 / 成長因子 / 骨格筋 / 筋線維 / 筋再生 |
Research Abstract |
組織培養器機等が当研究室に揃ったのは63年度後半であったので、その間牛脳から線維芽細胞増殖因子(FGF)の精製に努めた。63年度後半から、ラット骨格筋から衛星細胞を分離するための技術の修得をFGFの精製と並行して行った。平成元年度は、衛星細胞の分離方法の改善と新しい方法によるFGFの精製を試みた。 ラット骨格筋から衛星細胞を効率よく分離するには筋組織の基底膜を破壊する必要がある。そこで、筋肉を挽肉にした後Trypsin又はPronaseによる基底膜の破壊を試みたところ、Pronaseを用いた方が細胞の収量が良くなる傾向が認められたので、以後Pronaseを使用することにした。当初、筋肉から衛星細胞を分離させた後混在する線維芽細胞を除去するためにコ-ティングしていない培養皿で24時間保温して、培養皿に付着していない細胞を回収していたが、この保温時間では衛星細胞も培養皿に付着して収量の低下の一因となったので、保温時間は2時間とすることにした。上記の様な幾つかの改善の結果、衛星細胞以外の細胞の混入をある程度抑えることができたが、増殖力の強い線維芽細胞の混入は依然見られる。衛星細胞の分離方法の改善は今後も進めなければならない。 最初中脳からGospodarowiczらの方法でFGFの精製を試みたが、純度が低いことが分ったため、ヘパリン-アフィニィティ-クロマトのステップを追加して精製することにした。その結果、このクロマトで2つの溶出ピ-クが出現し、各々SOS-PAGEで調べたところほぼ単二のバンドが検出された。BALB/3T3細胞に対する増殖効果を調べたところ、高塩濃度で溶出した画分の方が強い増殖促進効果を示した。その故、ピ-ク1は酸性FGF、ピ-クスは塩基性FGFと考えられた。目下、高収量を得るために再試製を試みている。
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