1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63560280
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
永田 致治 麻布大学, 獣医学部, 教授 (30038202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 亮一 麻布大学, 獣医学部, 講師 (10153892)
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Keywords | 肉製品 / 発色 / 加熱塩漬肉色 / 筋漿 / 亜硝酸塩 / 塩漬 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、筋漿低分子量(LMS)画分中の発色促進物質を豚筋肉から効率的に分離し、その成分を分取すると共に作用効果を明らかにすることを目的として実験を進めた。LMS画分自体の調製条件およびそれをSephadexG-15、pH5.5でゲルろ過を行い、LMS画分特有の最大吸収波長(248nm)で溶出パタ-ンを作成し、溶出条件を検討し、酢酸緩衝液(pH5.5)が、各画分とミオグロビンおよび亜硝酸塩からなる反応液の発色度測定に適していることを昨年度見い出した。本年度は、有効成分分取の諸条件を見出すため、昨年度の結果に基づきペプチドに着目して、逆相シリカ系のカラム(日本分光、Biofine使用)ならびにトリフロル酢酸の水溶液とアセトニトリル溶液の濃度勾配溶出法により高速液体クロマトグラフィ-(HPLC)を行った。その結果、ゲルろ過法で得た発色促進領域の物質(標準物質を用いた別途実験で分子量200〜550と推定)は、カラムに保持されずに溶出され、波長230nmの測定で7〜8個のピ-クが検出された。また、酢酸緩衝液はこの波長で若干吸収が見られたが、測定を阻害することはなかった。次に、ゲルろ過法で得られた発色促進効果の高い領域を陽イオン交換体Dowex50WX8に通し、その非吸着部に有効成分が多く回収されることを確認した。さらに、その領域をメタノ-ル:水(7:3)を移動相として、HPLCによる分析を行ったところ、230nmの測定で単一のピ-クが観察された。標準物質としてHPLCにかけた還元型グルタチオン(GSH)も同じ保持時間で溶出されたことや、GSH自体発色促進効果を持つことなどから、この物質が有効成分としてLMS画分中に含まれる可能性が推定された。現在、この領域の純化を進めるべく、HPLCの分析条件を検討中である。
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[Publications] Ryoichi Sakata and Yukiharu Nagata: "Promoting action of low-molecular weight Sarcoplasm fraction on color formation" Fleischwirtschaft international. 1989(1). 54-58 (1989)
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[Publications] Yukihara Nagata Ryoichi Sakata: "Mechanism of the action of an endogenous factor for promoting the cokir formation of cooked cured pork" Fleischwirtschaft.