1988 Fiscal Year Annual Research Report
反芻家畜における飼料蛋白質の利用性改善に関する研究
Project/Area Number |
63560281
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
阿部 又信 麻布大学, 獣医学部, 教授 (00120949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入来 常徳 麻布大学, 獣医学部, 講師 (60151693)
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Keywords | 反芻動物 / 仔牛 / 蛋白質栄養 / ルーメンバイパス蛋白質 / ルーメンバイパス・アミノ酸 / 食堂溝 / 増体成績 / 窒素出納 / コーングルテンミール / 魚粉 / 制限アミノ酸 / リジン / フェニルアラニン |
Research Abstract |
(1)CP11および15%水準でのそれぞれトウモロコシに尿素または(コーングルテンミール+魚粉)を添加した計4種類の飼料を用い、体重120kg以上の仔牛の増体成績とN出納を比較した。なお、N出納試験においては、尿中プリン誘導体排池量を基に第一胃内における微生物態蛋白質合成量を比較した。その結果、低CP水準では微生物態蛋白質合成量が高CP水準に比べ有意に少ないと考えられたにもかかわらず、同一CP水準間では増体成績やN出納には差がなかったことから、(CGM+魚粉)に由来するバイパス蛋白質の有効性に疑問がもたれた。(2)大麦に尿素、CGM、魚粉を添加し調整したCP12および14%水準の各3種類ずつの飼料を用い、体重120kg以上の仔牛の増体成績と、N出納を比較した結果、それらは両CP水準において尿素<魚粉<CGMの順となった。また、血漿遊離アミノ酸は認められなかったが、魚粉区ではPheが最も制限となる可能性が示唆された。(3)早期離乳後も食堂溝反射を維持させた体重約60kgの仔牛に大麦主体の基礎飼料(CP10.5%)を給与し、カゼインまたはCGMを食道溝経由で投与した場合(それぞれLC、LG区)と、それらと等N量のカゼインを基礎飼料に混ぜて給与した場合(SC区)とで約1ケ月間の増体成績を比較した。なお、補足蛋白質の投与量は基礎飼料を合わせてのCP水準が12.2、14.5および16.5%の3水準として、3回の試験を実施した。その結果、各CP水準とも;C区の増体LG、SC区より大きく、CP要求率は最少であった。(4)次に、(3)と同様の条件でカゼインまたはCGMを食堂溝経由で投与した場合と、CGMにLYSを添加して投与した場合とで増体成績を比較すると、CGM+LYS区の成績はカゼイン区のそれに匹敵し、CGM区の増体成績より有意に改善された。以上の結果、反芻家畜の蛋白質栄養におけるバイパス蛋白質のアミノ酸組成の重要性が裏づけらけた。
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