1988 Fiscal Year Annual Research Report
我が国の養殖淡水魚類における寄生繊毛虫のサーベイおよび検索のコンピュータ化
Project/Area Number |
63560296
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
今井 壮一 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 助教授 (90120758)
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Keywords | 魚病 / 診断 / 寄生虫 / トリコディナ / 繊毛虫 / コンピュータ検索 |
Research Abstract |
1.淡水産養殖魚からの寄生繊毛虫の採集と標本の作成 今年度はまず、我が国の代表的な淡水魚類であるウナギに着目し、これらに寄生するトリコディナの分類、同定を試みた。材料はエラおよび体表の一部をフォルマリン固定したものを鏡検して集め、ノマルスキー微分干渉顕微鏡による無染色標本観察、ギムザ染色、マイヤーのヘマトキシリン染色、KLEINの鍍銀法等による染色標本の観察、および走査電子顕微鏡観察に供した。その結果、フランスウナギから1種、ニホンウナギから3種のトリコディナが認められた。フランスウナギから認められた1種は、過去に海外で報告されているT.jadranicaと形態が一致したことから本種と同定された。一方、ニホンウナギから認められた3種のうち、1種は同様にT.jadranicaと同定され、他の1種は各種淡水魚類に広く記載されているT.acutaと同定されたが、最も優勢に認められた残りの1種はこれらより小型で、各部の形態学的特徴もこれまでに記載の見られないものであったことから、新種の可能性が高いものと考えられた。ひき続き、キンギョのエラに寄生するトリコディナの検索に着手し、現在までに少なくとも2種の寄生を認め、そのうちの1種はT.reticulataであると同定された。他の1種については現在検討中である。 2.関連種に関する文献の収集と記載のコンピュータ化の試み 主として本学図書館の文献検索システムを利用して文献の収集につとめ、収集された淡水魚類寄生性トリコディナに関する文献については、それらの記載内容の整理とカード化を終了した。これに基づいて、順次コンピュータに入力し、データベース化を行っている。現在、試験的にPC-9800パーソナルコンピュータにリードレックス社のデータボックス98版を用い、宿主、体中央部の顆粒の有無、および各部測定値等を検索項目として、実用的な検索が可能か否かについて検討中である。
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