1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570020
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
平井 圭一 金沢医科大学, 医学部, 教授 (60027092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 忠司 金沢医科大学, 医学部, 助手 (80151794)
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Keywords | 呼吸上皮の再生 / 人工気管 / コラーゲン / 線毛細胞 / 気管上皮の分化 / 細胞外基質 / 高分子材料 |
Research Abstract |
気管および細気管支の粘膜上皮の一部又は特定の細胞が壊死した時の粘膜の再生機構を電子顕微鏡的に解析した。 1.気管上皮の再生機構と分化 イヌ成体の頸部気管腹側に、第4〜7気管軟骨を含んで縦2cm横1cmの窓状欠失を作り、ポリプロピレン製メッシュ(半数はコラーゲンコートした)を補填し、経時的に形態変化を追跡した。 (1)コラーゲンコートしたメッシュ上に正常の間質が再形成され、欠失部周辺の分泌細胞、線毛細胞、基底細胞が未分化な細胞に変わり遊走して表面を被った。 (2)移植6週間後、未分化細胞から正常な多列線毛上皮が再生した。 (3)コラーゲンをコートしないメッシュの場合は、変形した線維芽細胞が不規則な間質を作り、再生した上皮は複合線毛、核の異形性、基底細胞の消失等の異常を示した。 (4)以上、気管上皮は未分化な細胞から再生し、コラーゲンを主とする細胞外基質が上皮分化に重要であること、コラーゲンは人工臓器材料として利用し得ることを明らかにした。成果は第44回日本電子顕微鏡学会、仙台(昭和63年6月)、第26回日本人工臓器学会、東京(昭和63年10月)で口頭発表した。 (5)関連研究として、ラット気管腺ペルオキシダーゼは出生後呼吸開始後に発現すること、気道上皮は通常同酵素を欠くが微生物感染によって誘導されることを見出し、第29回日本組織細胞化学会、宇都宮(昭和63年10月)で口頭発表した。 2.細気管支上皮の再生機構と分化 マウス細気管支クララ細胞が壊死した時線毛細胞から分化再生することを立証しつつあり、一部を第93回日本解剖学会で口頭発表した。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] Hirai K.-I.: Exp.Mol.Pathol.(1989)
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[Publications] Shimizu Y.: J.Biomed.Mater.Res.(1989)
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[Publications] 志水慶彦: 人工臓器. 18. (1989)
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[Publications] Sakai J.: Acta Histochem.Cytochem.(1989)
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[Publications] 平井圭一: 日本臨床. 46. 2112-2114 (1988)
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[Publications] 平井圭一: 蛋白質核酸酵素. 33. 2708-2716 (1988)
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[Publications] 浅野泰明: 解剖学雑誌. 63. 432-441 (1988)
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[Publications] Moriguchi K.: Exp.Mol.Pathol.(1989)
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[Publications] 平井圭一: 電子顕微鏡. 24. (1989)
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[Publications] Ueda T.: Lab.Invest.(1989)