1988 Fiscal Year Annual Research Report
神経性ペプチド,特に,ニューロキニンAの脳血管分布形態と機能の相関
Project/Area Number |
63570022
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
田川 隆輔 福岡大学, 医学部, 教授 (20078736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広田 千穂 福岡大学, 医学部, 副手 (00208886)
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Keywords | ペプチド神経支配 / 哺乳類 / 鳥類 / 爬虫類 / 両生類 / 脳血管 / 脳実質内細血管 |
Research Abstract |
哺乳類およびそれ以下の脊椎動物の脳動脈あるいは脳実質内細血管のペプチド神経支配に関する報告は殆ど見られないので、抗血清[substance P(SP)、neurokinin A(NKA)、calcitonin gene-related peptide(CGRP)、vasoactive intestinal polypeptide(VIP)およびneuropeptide Y(NPY)]を用い、各種ペプチド神経の比較検討を行った。 哺乳類では、各ペプチド線維は、脳底動脈系より脳頸動脈系でかなり密に分布するが、VIP線維のみは中大脳および脳底動脈で殆ど認めることができなかった。鳥類では、各ペプチド線維は脳頸および脳底動脈系ともに非常に少なく、特に、VIP線維は両動脈系で殆ど認めることができなかった。爬虫類では、SP、NKAおよびCGRP線維が鳥類や両生類に較べて非常に密に分布するが、VIP線維のみは前3者に較べてやや少なく、脳底動脈系では特に少なかった。両生類では、SPおよびNKA線維は両動脈系ともに爬虫類ほど密ではなく、また、CGRP線維は前2者よりさらに少なくなり、VIP線維は全く認めることが出来なかった。 一方、脳実質内では、細血管に関し、VIPは哺乳類の、NPYは爬虫類の神経細胞で陽性に認められた。また、SP、NKA、CGRP、VIPおよびNPY線維は哺乳類、鳥類、爬虫類および両生類のいずれの実質内でも認められるが、特に、SPおよびNKA線維が爬虫類、NKAおよびNPY線維が両生類の実質内で多く認められた。しかしながら、これらのペプチド線維は、数珠状に配列するため、アミン作動性およびコリン作動神経のように、細動脈および毛細血管に分布するかどうかを断定することは非常に困難であり、その同定法を確立することが、各ペプチドの共存同定とともに、今後の重要な研究課題であるように思われる。
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Research Products
(1 results)