1988 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮特殊顆粒(Weibel-Paladebody)の放出機序の形態学的、免疫学的解析
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63570024
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
藤本 淳 産業医科大学, 医学部, 教授 (80080547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 直幹 産業医科大学, 医学部, 助手 (80200377)
上田 宏 産業医科大学, 医学部, 講師 (00160177)
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Keywords | 内皮特殊顆粒 / Weibel-Palade body / 臍精脈 / von Willebrand因子 / ヒスタミン / 電子顕微鏡 / 免疫組織化学 / 二次元電気泳動 / 高速液体クロマトグラフィ |
Research Abstract |
Weibel-Palade body(以下WP)が第8因子関連抗原(von Willebrand因子)の合成・貯蔵・放出に関与する小器官であり、その放出がヒスタミン遊離剤の一つであるcompound 48/80によって誘発されることは我々の観察からも明らかである。63年度の実験計画に基づいて、ヒト臍帯臍静脈(37〜40週)をcompound 48/80(100μg/ml Ringer)添加リンゲル液に浸潤、電顕試料にして観察した結果、WPの著明な開口分泌像が観察されたほか、透出分泌を示唆する像が得られた。 WPはvon Willebrand因子(分子量220K)とそのpro sequence(100K)のほか、20Kと30Kのポリペプチドを含有することが今回行った二次元電気泳動による解析で明らかとなったが、これらの性状や放出機序についてはモノクロナール抗体を作製の上、免疫組織学的に解析していきたい。 WPが臍静脈内皮で月令に応じて増加することはすでに報告している。カイウサギ臍静脈では胎生25日からWPが盛んにゴルジ装置で形成され生後2〜5日に内皮細胞に密に存在するようになる。我々の従来の研究はWPがヒスタミンを含有することを示唆している。カイウサギ臍静脈では胎生後期から生後期にかけてのWPの増加と高速液体クロマトグラフィによるヒスタミン定量値が相関している。63年度実験計画として抗ヒスタミン血清と第8因子関連抗原血清を用いて免疫金法による二重標識で両抗原のWPにおける局在性をヒト臍静脈(37〜40週)で検策した結果、同一WPに両抗原の局在が確認できた。 WPがvon willebrand因子のほか、2、3のポリペプチドを含有し、さらにヒスタミンの貯蔵顆粒であることが、明らかとなったが、WPの高分子蛋白の放出とヒスタミン放出機序との関連性については目下、種々のWP放出誘発因子を用いて検討中である。
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