1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570035
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
岸 清 東邦大学, 医学部, 教授 (00014118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 邦夫 東邦大学, 医学部, 助手 (60120317)
角田 幸子 東邦大学, 医学部, 助手 (80057752)
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Keywords | 嗅球 / 僧帽細胞 / 顆粒細胞 / 房飾細胞 / シナプス / HRP細胞内染色法 / PHAL細胞内染色法 / 電子顕微鏡的研究 |
Research Abstract |
I.単一僧帽細胞の電顕定量形態学的研究:ウサギ嗅球の単一僧帽細胞にHRPを注入し、染色した切片をエポン包埋した。この切片を用いて僧帽細胞の全体像を光顕でトレースした後、以下の各部位を同定し、電顕連続切片を作製した。すなわち、糸球体分枝の末端と基部、一次樹状突起の遠位部と近位部、二次樹状突起の遠位、中位、近位部、細胞体、軸索初節、軸索本幹、軸索側枝である。これを用いて各部位の復構模型を作り、その直径とシナプス密度を計測した。この計測値を先に発表した該細胞の光顕的定量解析値に繰り入れて、単一僧帽細胞のシナプス数を以下のごとく算出した。単一僧帽細胞が嗅球内で持つシナプス総数は63000個であり、そのうち入力シナプスは27000個、出力シナプスは36000個であった。糸球体分枝の末端には4000個の嗅神経シナプスが入る。一次樹状突起には3000個、二次樹状突起には48000個、細胞体には3000個、軸索初節には8個の顆粒細胞との入・出力シナプスが存在した。軸索側枝には3000個の出力シナプスを算出した。論文を投稿中である。 II.嗅球外叢状層のシナプス密度の定量形態学的研究:生後2、7、14、21、70日のラットの外叢状層の電顕つなぎ写真を用いて、シナプスのタイプと密度を計測した。主な結果は、生後のいずれの時期においても、外叢状層の浅層のシナプス密度は深層のそれよりも低いことである。このことは、浅層に存在する房飾細胞と顆粒細胞のシナプス密度が深層に存在する僧帽細胞と顆粒細胞のシナプス密度より低いことを示している。第94回解剖学会総会で発表を予定している。 III.単一僧帽細胞の軸索の光顕定量形態学的研究:単一僧帽細胞にPHALを注入して、前嗅核、梨状葉皮質前部の軸索を染色した。現在、軸索側枝の数、長さ、軸索終末の数を検索中である。
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Research Products
(1 results)