1990 Fiscal Year Annual Research Report
付随陰性電位変動(CNV)の発現機序と生理学的意義に関する研究
| Project/Area Number |
63570055
|
|---|
| Research Institution | Kyoto University |
|---|
Principal Investigator |
玄番 央恵 京都大学, 医学部, 講師 (00108987)
|
|---|
| Keywords | 付随陰性電位変動 / CNV / 付随陽性電位変動 / 大脳皮質フィ-ルド電位 / 前頭葉 / 手の運動 / 小脳半球切除 / サル |
|---|
| Research Abstract |
1.5頭のサルの異なる色の組み合わせによる2種類の予告ー命令刺激(例えば緑色ー黄色と赤色ー黄色)の一方をgo刺激、他方をnoーgo刺激として、不規則な時間間隔と無作為の順序で与え、サルがgo刺激に応じてレバ-上げ運動を行ない、noーgo刺激に対しては運動を行なわないように訓練した。go命令刺激持続中に運動した場合に限って報酬を与えた。サルが課題を遂行する間、多くの大脳皮質領野の皮質表面と2ー3mm深層に慢性的に埋め込まれた電極からフィ-ルド電位を記録し、加算平均法を用いて分析して、次のような結論を得た。go刺激の場合は持続型緩電位(表面陰性ー深部陽性)が両側大脳半球の前頭連合野、運動前野および補足運動野において記録され、漸増型緩電位(表面陰性ー深部陽性)が運動している手と対側の運動野および体性感覚野において得られた。noーgo刺激の場合は、予告刺激による短潜時反応後、表面陰性ー深部陽性の緩電位は出現しなかた。前頭連合野においては、表面陽性ー深部陰性緩電位の記録される部位がみられた。
2.予告刺激(緑色)から1秒後に呈示される命令刺激(黄色)に応じて、レバ-上げ運動の行なえる3頭のサルに、運動を行なう手と同側小脳半球の切除手術を施した。サルに運動課題を行なわせて、予告刺激から運動までの反応潜時と大脳皮質フィ-ルド電位を1と同様に記録し、手術前後で比較検討した。手術後の反応潜時は、手術前に比べ変動していたが,平均値にはほとんど差がなかった。前頭連合野、運動前野および補足運動野の電位は手術前後でほとんど変化はしなかった。運動する手と対側の体性感覚野で術前よりやや増大した漸増型緩電位が記録されたが、運動野においては、術前に見られた漸増型緩電位が完全に消失していた。以上から、運動野で記録される漸増型緩電位に新小脳ー視床ー運動皮質領野投射の寄与が判明した。
|
-
[Publications] H.Gemba: "Cortical field potentials associated with hand movements triggered by warning and imperative stimuli in the monkey" Neurosci.Lett.113. 275-280 (1990)
-
[Publications] K.Sasaki: "Cortical field potentials associated with hand movements on warningーimperative visual stimulus and cerebellum in the monkey" Brain Res.519. 343-346 (1990)
-
[Publications] H.Gemba: "Potential related to noーgo reaction in go/noーgo hand movement with discrmination between tone stimuli of different frequencies in the monkey" Brain Res.537. 340-344 (1990)
-
[Publications] H.Gemba: "Studies on contingent negative variation (CNV)and readiness potential (RP)" Neurosci.Res.Suppl.9. S70 (1990)
-
[Publications] T.Tsujimoto: "Effects of cooling the dentate nucleus on hand movement of the monkey" Neurosci.Res.Suppl.9. S68 (1990)
-
[Publications] H.Gemba: "Estimation of warningーimperative stimulus time interval and profrontalーpromotor cortical activities in the monkey" Neurosci.Res.Suppl.(1991)
-
[Publications] 玄番 央恵: "脳ー可塑性研究の進歩(久保田 競他編)" 朝倉書店, 11 (1990)
-
[Publications] H.Gemba: "Psychophysiological Brain Research (eds.C.H.M.Brunia et al.)" Tilburg University Press, (1991)
