1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570080
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
彼末 一之 大阪大学, 医学部, 助教授 (50127213)
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Keywords | ラット / 温度感覚 / 陰嚢温 / オペラント条件付け |
Research Abstract |
皮膚温度感覚に関する神経生理学的知見は他の皮膚感覚に比べて乏しい。温度感覚情報の求心路のモデルとして多く用いられているラット陰嚢皮膚刺激の中枢ニューロンへの効果は覚醒に伴う非特異的反応であることは報告者らは最近明らかにした。そこで本研究では、実際にラットが陰嚢温度変化を感覚しうるか否かについて(1)オペラント行動、(2)無麻酔動物でのニューロン記録を行うことを計画した。本年度は特にオペラント行動による解析に焦点をしぼった。具体的には、遮光、防音箱中に置かれたレバー付き小ケージにラットを入れ、陰嚢刺激用温度素子、尾電気ショック用電極を装着、陰嚢温を正常値(32℃)からある温度(42℃以下)までステップ状に変化させ、一定時間後にショックを加える。温度変化後ラットがレバーを押せば温度は正常値に戻り、ショックは回避出来る。この行動のオペラント条件付けが起こればラットは陰嚢温を感覚していることになる。現在オペラント行動の観察のための実験システムの作成が進行中である。先ず陰嚢温度刺激用ペルチエ温度素子のコンロールとデータ収集、解析用のコンピュータシステムの入出力インターフェイス及びプログラムがほぼ完成した。今後、遮光・防音箱、ラット拘束用ケージを作成して、計画通り陰嚢温度変化を条件刺激としたオペラント行動の観察を行なう予定である。
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