1988 Fiscal Year Annual Research Report
Thyrotropin放出因子による内因性物質放出と高体温発症についての研究
Project/Area Number |
63570099
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
野本 照子 東京女子医科大学, 薬理学教室, 教授 (20075154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 庸子 東京女子医科大学, 薬理学教室, 講師 (30075494)
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Keywords | 直腸温 / 尾部皮膚温 / TRH / hyperthermia / 血中カテコラミン / 血中NPY / 抗NPY血清 |
Research Abstract |
Thyrotropin releasing hormone(TRH)の末梢投与によるマウスの体温上昇反応の系統差を6系統-ICR、ddy、BALB、C_3H、DBAおよびC_<57>BL-を用いて比較検討した。 1.TRH3mg/kgi.p.では、系統により反応のみられないものもあるので、10および30mg/kgi.p.を投与した。TRHによる直腸温(Tr)の上昇は、ICRとddy系で最も高く、その他の系統ではBALB>C_3H>DBAの順に反応が小となり、C_<57>BLではTRHの投与量に依存して低体温を示すことが認められた。尾部皮膚温(Ts)は6系統いずれも、TRHの用量に依存して著しい上昇を示し、その反応順位はTrのそれと近似していた。 2.TRHにより副腎髄質に共存する内因性活性物質-catecholamine(NEとE)・neuropeptide Y(NPY)およびmethionine enkephalineは共放出されることが示唆されるので、TRH投与後5分後の血中CatecholamineおよびNPYの値を生食水投与のそれと比較した。その結果、血中Catecholamine値は(1)ICR・ddy系ではTRH投与によりNEおよびEのレベルが約2〜2.5倍に上昇したが、(2)BALB・DBA系では血中NE・EレベルのTRHによる上昇に有意差がみられなかった。(3)その他の系統では、(1)と(2)の中間の反応を示した。血中NPY値もcatecholamine値と同様の傾向がみられた。(4)ICR・ddy系ではTRH5分後のNPY値は生食水投与群の値の約1.5倍に上昇したが、(5)BALB・DBA系ではTRHによるNPY放出が低く、(6)その他の系統では(4)と(5)の中間値を示した。このことは、マウス系統によってTRHにより放出されるNE・EとNPYの変動の差が体温の変動と関連する可能性が考えられる。そこでNPY抗血清を用いて内因性NPYを中和した後のTRHの作用を検討した。その結果、TRH-hyperthermiaが有意に増されるのを確認した。(3)EGFについては今後実験を継続していく予定である。
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[Publications] T.NOMOTO.;Y.UCHIDA.;Y.NAKAGAWA.;Y.SHIBATA: Neuroendocrinology. (1989)
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[Publications] 斉藤章二 編: ""コアテキスト薬理学"-内分泌系に作用する薬物 P189-212" 広川書店, 307 (1988)
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[Publications] Ed.P.Lomax,・E.Schonbaum: "Thermoregulation:Research and Clinical Appliations.;TERUKO NOMOTO&YOKO UCHIDA.;Thermal response to thyrotropin releasing hormone in diffirent strains of Mice.P.145-148" KARGER, 250 (1989)