1989 Fiscal Year Annual Research Report
薬物による心筋内ナトリウムイオン活性変化と陽性変力作用発現機構の解析
Project/Area Number |
63570103
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Research Institution | AICHI MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
竹谷 和視 愛知医科大学, 医学部, 教授 (30065528)
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Keywords | 細胞内Na / 心筋 / Na-NMR / 頻度収縮力関係 / 強心配糖体 / ツツジ科植物毒 / リドカイン |
Research Abstract |
細胞内Na^+と心筋収縮力の薬物による変化との関係について4種類の実験を行い、次の成果を得た。1)強心配糖体の陽性変力作用を発揮するNa^+の起源に関する研究;心筋を半脱分極状態とし、活動の際に流入するNa^+をTTX併用で完全に止めて静止時に流入するNa^+と収縮力との関係を検討し、強心配糖体の陽性変力作用は静止時のNa^+の流入を増すGTXの存在と外液Na^+濃度に依存して増大する。即ち、静止時の心筋細胞でのNa^+流入が強心配糖体の陽性変力作用の基盤との結果を得た。2)リドカインの抗不整脈作用におけるNa^+-K^+相互関係;抗不整脈のリドカインは興奮頻度と細胞外カリウム濃度に依存して効果を発揮することが知られているが、Na^+channelの抑制との関係は不明で、細胞外K濃度を変え、細胞内Na^+濃度を活動頻度の増加とGTX、ATXの添加で作り検討した結果、低K濃度、ouabain存在などのNa^+-K^+ATPase活性が抑制される時には効果がなく、リドカインの抗不整脈作用発現に起電性のNa+-ポンプが必要である。3)細胞内Na^+と頻度-張力関係;乳頭心筋の茂樹頻度を変えて起こる心筋の発生張力の変化を図にし、その曲線の移動形式から強心剤の作用機序を見当付けることを試みた。その結果の曲線からNa依存性とCa依存性強心物質とに分類できた。4)Na-NMRによる細胞内Na^+の測定と強心作用物質のNa代謝への影響;FT-NMR機器が導入され、Na^+の共鳴周波数で、Na原子の核スピンに対するパルスを180-90度と交互に変換し、自由誘導での緩和時間の差から細胞外Na^+を消去する事により直接(シフト試薬を用いることなしに)細胞内Na^+を測定する方法を開発した。これを用いて細胞内Na^+と強心配糖体、カテコ-ルアミン、ツツジ科植物毒との関係について知見を得た。
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[Publications] Takeya,K.,Yajima,M.,Sou,H.: "The origin of the sodium for development of positive inotropic effect of digitalis glycosides"
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[Publications] Takeya,K.,Yajima,M.,Arai,F.: "Electromechanical evidence for the involvementand of Na^+,K^+-ATPase for the development of antiarrythemic action of lido-caine" 第11回国際薬理学学会発表 1990.7.
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[Publications] Takeya,K.,Hotta,Y.,Nishiyama,M.,Ando,H.: "Determination of intracellular Na And Ca in isolated guinea-pig atria by ^<23>Na-NMR and fura-2 probe" 第61回薬理学会総会発表 昭和63.3.
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[Publications] Takeya,K.,Hotta,Y.,Ando,H.: "Direct intracellular sodium measurement without using shift reagent in the working guinea-pig heart" 第3回国際磁気共鳴ワ-クショップ発表 1990.2.14.