1988 Fiscal Year Annual Research Report
GTP結合性ペプチドによるラット肝アデンレートシクラーゼ活性の調節に関する研究
Project/Area Number |
63570105
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
大森 京子 関西医科大学, 医学部, 講師 (90152256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 ひとみ 関西医科大学, 医学部, 助手 (40140272)
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Keywords | アデニレートシクラーゼ / β-アドレナリン性応答 / ラット肝臓 / 可溶性画分因子 / GTP結合 |
Research Abstract |
我々はラット肝可溶性画分にホルモンによるアデニレートシクラーゼ活性の促進に関与する因子"GTP結合性ペプチド(分子量約3,000)"を見い出し、その作用機序、分子構造について検討している。今年度の研究により、以下の知見を得た。 1.本因子のGTP結合能の直接的証明:(1)セファデックスG-15を用いた方法により、本ペプチド・GTP複合体と遊離GTPとの明確な分離パターンを得た。過剰のGTP添加により、GTPの主なピークは遊離GTP分画へ移行したが、アデニレートシクラーゼ活性の促進はペプチド・GTP複合体分画の方より強く見られた。(2)ペプチド・GTP複合体を高塩濃度処理して解離させ、ペプチド分画を分離した後、メンブレンフィルターを用いた測定法によりGTP結合能を測定した。分離ペプチドのGTP結合能とアデニレートシクラーゼに対するGTPの効果を促進する活性との間に相関が見られた。(3)今後、精製したペプチド標品についてSDS-ポリアフリルアミドゲル電気泳動を行い、この分子セルロースアセテート膜上での〔α-^<32>P〕GTPによるラベリングを証明したい。 2.本因子のアミノ酸配列の決定:(1)充分量の精製ペプチドを気相プロティンシークエンサーを用いて分析したが、アミノ酸配列の決定はできなかった。グアニジン塩酸処理により精製ペプチドの凝集を除いた後、分析しても同様に決定不能であった。これらの結果は、本因子のN末端アミノ酸のブロックが存在することを示唆する。(2)今後、本因子のアミノ酸組成分析をもとに、蛋白分解酵素による処理を行い、フラグメントのアミノ酸配列の決定を行いたい。さらに、決定された配列をもとにプローブとなるオリゴヌクレオチドを選び、本因子のCDNAのクローニングを行う予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Koichiro Omori.: Progress in Clinical and Biological Research. 268 B. 127-134 (1988)
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[Publications] Toshiko Uriu.: Jpn.J.Pharmacol.49. 276P (1989)
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[Publications] Kyoko Omori.: Jpn.J.Pharmacol.49. 66P (1988)