1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570114
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
武田 誠郎 広島大学, 医学部, 教授 (40030853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 和義 広島大学, 医学部, 助手 (50127601)
碓井 裕史 広島大学, 医学部, 助教授 (40127618)
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Keywords | フロテインホスファターゼ / サイクリックAMP依存性フロテインキナーゼ / Ca^<2+>リン脂質依存性プロテインキナーゼ / プロテインキナーゼC / 代謝調節 / 赤血球 / 蛋白質のリン酸化-脱リン酸化 |
Research Abstract |
プロテインホスファターゼは蛋白性インヒビターにより阻害されるタイプ1、されないタイプ2A、2B、2Cに分類される。この内2Aの活性調節機構は不明である。我々はヒト赤血球細胞質可溶画分に2Aに属する基質特異性の異なるホスファターゼI(Mr=180,000)、III(Mr=177,000)、IV(Mr=104,000)を見出し、これらを均質に精製した。サブユニット構造はIがα_1β_1δ_1、IIIがα_1β_1γ_1、IVがα_1β_1と推定された。SDS-PAGEで算出した分子質量はαが34kDa、βが63kDa,γが53kDa、δが74kDaである。αが触媒サブユニットで、β、γ、δは調節サブユニットとして各酵素に固有の基質特異性、2価金属イオン要求性を与える。ホスファターゼI、III、IVをMg^<2+>、ATP共存下に、サイクリックAMP依存性プロテインキナーゼ(A-キナーゼ)、Ca^<2+>リン脂質依存型プロテインキナーゼ(C-キナーゼ)、Ca^<2+>-カルモジュリン依存性プロテインキナーゼII、ホスホリラーゼキナーゼ、ミオシン軽鎖キナーゼ、カゼインキナーゼIIとそれぞれインキュベートするとホスファターゼIのδサブユニットの特定のセリン残基のみが定量的にA-キナーゼとC-キナーゼによってリン酸化された。他のプロテインキナーゼはいづれのサブユニットもリン酸化しない。A-キナーゼによるリン酸化反応におけるホスファターゼIに対するKm値は0.27μMで赤血球内ホスファターゼIの推定濃度とほぼ等しい。δサブユニットのリン酸化により、ホスファターゼIのホスホリラーゼa、P-H1ヒストン、P-H2Bヒストンの脱リン酸化活性は約1.5倍促進され、この酵素の活性調節にA-キナーゼとC-キナーゼの関与が示唆され、細胞内情報伝達における伝達終止の一機構と推測された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Teiji Imaoka.: Journal of Biological Chemistry. 258. 1526-1535 (1983)
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[Publications] Hirofumi Usui.: Journal of Biological chemistry. 258. 10455-10463 (1983)
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[Publications] Nobuhisa Kinohara.: Journal of Biochemistry. 95. 597-600 (1984)
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[Publications] Hirofumi Usui.: Journal of Biological Chemistry. 263. 3752-3761 (1988)
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[Publications] Masao Takeda.: "Advances in Protein Phosphatases" Leuven University Press, 397 (1985)