1989 Fiscal Year Annual Research Report
ラットヘモグロビンの多様性に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
63570123
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
岡崎 太郎 日本医科大学, 医学部, 教授 (30060354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 浩之 日本医科大学, 医学部, 助手 (80187228)
阿部 靖子 日本医科大学, 医学部, 講師 (60089612)
安室 尚樹 日本医科大学, 医学部, 講師 (10151127)
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Keywords | ヘモグロビン / ラット / グロビン遺伝子 / 胎児型ヘモグロビン / 偽遺伝子 |
Research Abstract |
ラットヘモグロビン(Hb)の多様性に関して、昨年度に引続いて、さらに解析を続行し、以下の成果を得た。 1.グロビン遺伝子の単離と構造解析 (1)α遺伝子群に関しては、昨年度報告したIIα遺伝子座(IIα_A)に加えてIIα遺伝子座(IIα_B)を見いだした。さらにIIα_Bの下流約3kbにθ遺伝子座が、上流約4kbに未同定の遺伝子座が存在した。 一方、IIα_Aについてはその下流約2kbにθ遺伝子が、さらにその下流2kbにψα遺伝子が存在した。 β遺伝子群に関しては、現在までに全長約90kbにわたる領域をcoverする17個のoverlappingクロ-ンを得た。これらは、cmbryo型locusを含む約45kb、major β(IIβ)locusを含む約16kb、minor β(IIIβ)locusを含む約30kbの3個の群に大別され、それぞれに2-3個、合計8個の遺伝子座位が同定された。このうちembryo型3種、adult型2種の推定アミノ酸配列は現在までに蛋白質レベルで知られているラットβグロビンのいずれとも一致しない。 2.グロビン鎖の単離と構造解析 ラット胎児(胎生14日)溶血液より、イオン交換HPLCによりembryo型ヘモグロビン(Hb)を分離し、その主Hbを構成するαおよびβ様グロビン鎖を単離精製すると共に、各グロビン鎖のN-端末近傍アミノ酸配列を決定した。その結果、β様グロビンの配列は上記のembryo型遺伝子座位の一つから推定される未知のグロビン鎖と完全に一致した。 一方、胎生14日目ではHbのα鎖はadult型が主成分であることが推定された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 佐藤浩之他: "Organization and mucleotide sequences of the rat embryonic β-globin genes." J.Biol.Chem.
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[Publications] 猪口真美他: "Isolation and characterization of the rat adult β-globin gene cluster." J.Biol.Chem.
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[Publications] 佐藤浩之他: "Isolation adn characterization of the rat α-globin gene cluster." J.Biol.Chem.
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[Publications] 岩原信一郎他: "Primary structures of the constituent globins of rat embryonic hemoglobins." J.Biochem.