1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570143
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
橋本 洋 九州大学, 医学部, 助教授 (10128069)
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Keywords | 肉腫 / 軟部肉腫 / 脱分化型肉腫 / 悪性線維性組織球腫 / 組織発生 / 脱分化 / 免疫組織化学 / 超微形態 |
Research Abstract |
ある特定の方向への分化が明らかな肉腫で部分的にその分化が不明瞭となり、悪性線維性組織球腫や低分化の線維肉腫に類似する組織像が出現する脱分化型肉腫の脱分化部の腫瘍細胞の性格を明らかにし、その意義を明確にしようと試みた。 昨年度に続き、九州大学医学部第二病理(主任:遠城寺宗知教授)において収集されている1,100余例の軟部肉腫を今一度再検討した結果、全脂肪肉腫128例の11%(高分化型脂肪肉腫48例の29%)に相当する14例、平滑筋肉腫105例の6%(6例)、骨外性軟骨肉腫39例の13%(5例)並びに横紋筋肉腫98例の2%(2例)が未分化な部分を有するいわゆる脱分化型軟部肉腫であり、脱分化型肉腫は当初考えられていたほどまれな軟部肉腫ではなく、また特殊な肉腫に限定されないことが明らかになった。これらの脱分化型肉腫および対照として軟部悪性線維性組織球腫32例を主に市販の種々の抗体を用いて免疫組織化学的に検討し、あわせて電子顕微鏡的にも観察したところ、脱分化部では組織化学的並びに超微形態学的にも悪性線維性組織球腫に類似しており、特殊な分化を示さないもう一つの未分化間葉細胞のクロ-ンの増殖がいわゆる脱分化部に相当することが想定された。また悪性線維性組織球腫自身も、単球・大食細胞系由来の腫瘍とは考えがたく、未分化間葉細胞を組織起源とする可能性が示唆された。なお予後調査の結果、27例のうち19例は死亡しており、脱分化部を有する軟部肉腫は悪性度の高い肉腫であることが判った。
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