1990 Fiscal Year Annual Research Report
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63570143
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| Research Institution | Kyushu University |
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Principal Investigator |
橋本 洋 九州大学, 医学部, 助教授 (10128069)
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| Keywords | 肉腫 / 軟部肉腫 / 脱分化型肉腫 / 悪性線維性組織球腫 / 組織発生 / 脱分化 / 免疫組織化学 / 超微形態 |
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| Research Abstract |
特定の方向への分化が明らかな肉腫,例えば分化型脂肪肉腫や平滑筋肉腫の中で、部分的にそれらの分化が不明瞭となり、悪性線維性組織球腫や低分化の線維肉腫に類似する組織像が出現する脱分化型肉腫の腫瘍細胞の性格を明らかにし、脱分化部出現の意義を明らかにしようと試みた。
九州大学医学部第二病理において収集されている1085例の軟部肉腫を再検討し、脂肪肉腫128例中14例(11%)、平滑筋肉腫105例中6例、骨外性軟骨肉腫39例中5例および横紋筋肉腫98例中2例の脱分化型軟部肉腫を再検討した。これらの肉腫の脱分化部は免疫組織化学的にα_1ーアンチキモトリプシンやα_1ーアンチトリプシンなど、レクチン組織化学的にはRCAやConーAなどのいわゆる組織球性マ-カ-の染色態度が対照として用いた32例の悪性線維性組織球腫と類似し、電子顕微鏡で観察できた3例では、脱分化部は超微形態像も悪性線維性組織球腫に類似することが確認できた。また両者とも腫瘍細胞は大食細胞に対する単クロ-ン抗体であるMAC387やHAM56に陰性であり、脱分化型肉腫の脱分化部は特殊な分化を示さない未分化間葉細胞のクロ-ンの増殖から成り、悪性線維性組織球腫自身も単球・大食細胞由来の腫瘍とは考えがたく、未分化間葉細胞を組織起源とする可能性が想定された。今一つの知見は8例の悪性線維性組織球腫および9例の脂肪肉腫ならびに1例の軟骨肉腫の脱分化部においてデスミン陽性の腫瘍細胞を見い出したが、これは腫瘍構成細胞の一つである筋線維芽細胞の反応である可能性と多分化能を有する未分化間葉細胞の筋原細胞への分化表出の可能性が考えられた。
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