1988 Fiscal Year Annual Research Report
フローサイトメトリーを用いた貧食作用活性の動的解析法の開発
Project/Area Number |
63570170
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
藤川 孝三郎 金沢医科大学, 医学部, 講師 (20139786)
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Keywords | フローサイトメトリー / 貧食作用 / 培養細胞 / ミクロスフェア |
Research Abstract |
V79細胞などの線維芽細胞は2μm径の蛍光性ラテックス粒子を貧食し、個々の細胞内の蛍光粒子数はその蛍光強度による差からフローサイトメーターで測定できる。フローサイトメトリーでは個々の細胞のDNA量、RNA量など数種の測定パラメーターの同時測定が可能であるが故、これらのパラメーターと貧食活性との関連を直接比較検討できる。又フローサイトメトリーにおいては統計に耐え得る多数の細胞を短時間で測定できるが故、貧食作用の詳細な動的解析が容易である。さらに又貧食作用測定において常に問題となっていた。細胞に貧食された粒子と細胞に接触した粒子の区別は蛍光粒子の分光特性によりフローサイトメトリーにおいては比較的容易に区別できる。以上のようなフローサイトメトリーの特徴を生かし以下に示す研究を行った。1.培養細胞における貧食活性の細胞周期依存性測定の簡便法の確立。この方法は培養細胞にパルス的に蛍光粒子を貧食させ、細胞内DNA量との二重染色によって細胞周期依存性わ求めるものである(フローサイトメトリー、8、110-113、1988)。2.貧食活性のフローサイトメトリーによる動的解析法の確立。この方法は細胞の粒子貧食過程を経時的に観測することにより、細胞の貧食活性を貧食速度を表わすパラメーターKとシナジェティックな活性誘導を表わすと思われるパラメーターnによって記述するものである。又そのコンピュータ解析プログラムを作成した。3.ヒドロキシウレアによる貧食活性増大の説明。V79細胞をヒドロキシウレア処理すると貧食活性は著しく増大するが、これは薬剤処理によって生じた細胞表面積の増大(画像解析装置による測定)と細胞膜流動性の増大(ESRによる測定)とによるものであり、ヒドロキシウレア濃度には依存しないということを示した(Cell Struct.Funct.投稿中)。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 藤川孝三郎: フローサイトメトリー. 8. 110-113 (1988)
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[Publications] Kohzaburo Fujikawa-yamamoto.: Cell Structure and Function. 投稿中.
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[Publications] Kohzaburo Fujikawa-Yamamoto.: Cell Structure and Function.
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[Publications] 藤川孝三郎: "フローサイトメトリー入門" 医学書院, 21-24 (1989)
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[Publications] 藤川孝三郎: "フローサイトメトリー入門" 医学書院, 224-226 (1989)