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1988 Fiscal Year Annual Research Report

サワガニに寄生する肺吸虫2種の地理的分布様式と宿主特異性

Research Project

Project/Area Number 63570173
Research InstitutionHamamatsu University School of Medicine

Principal Investigator

記野 秀人  浜松医科大学, 医学部, 助手 (70115476)

Keywordsサワガニ / 宮崎肺吸虫 / ウェステルマン肺吸虫 / メタセルカリア検出法 / サワガニの齢構成 / 分布の同所性
Research Abstract

今年度はサワガニの検査法および採集法を検討し、また宮崎肺吸虫ならびにウェステルマン肺吸虫の分布に関する予備的な調査を行った。
1.検査法:従来からのガラス板による圧平法および人工胃液による消化法は、メタセルカリア(mc)の検出精度、労力(時間)などにおいて必ずしも最良とはいえない。そこで、ホモジナイザーでカニを粉砕し、大量の水で濾過することによりmcを分離する粉砕法を考案し、これら3法について比較した。消化法は最も回収率が低くかったが、これは消化液によりmcが死亡したためと思われた。圧平法と粉砕法では同程度の回収率を得たが、圧平法の残渣をさらに粉砕したところ、多数のmcが検出された。従って圧平法と粉砕法の併用が最も高い精度をもたらすことが明らかになった。
2.採集法:通常の石起こし法で採集されたカニの甲幅の頻度分布は、一山型の分布を示し、生残曲線を考慮した場合に予想される齢構成と一致しない。そこで一定面積内のカニをフルイを用いてすべて採集したところ、理論的齢構成とよく一致した。これは齢による棲息場所の違いによると思われる。このため石起こし法によるデータは個体群全体の感染状況を正確に反映しているとは言い難い。全個体の採集は通常難しいので、感染レベルを相対的に比較するためには、基準としてある大きさを設定し、それ以上の個体のデータを用いることが実際的であろう。
3.分布:宮崎肺吸虫は静岡県西部ではほとんどの地域に分布し、愛知県でも新城市東部から鳳来町および東栄町にかけて分布している。しかし、ウェステルマン肺吸虫はいずれの地域からも見いだされず、また、新城市西北部から作手村にかけては肺吸虫の感染が全く見られなかった。このため野生哺乳類からウェステルマン肺吸虫成虫が報告されている新城市を中心として、今後さらに詳細な調査を行う必要がある。

URL: 

Published: 1990-03-20   Modified: 2016-04-21  

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