1988 Fiscal Year Annual Research Report
日本海裂頭条虫ならびに近似裂頭条虫の疫学的生動学的研究
Project/Area Number |
63570174
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
山根 洋右 島根医科大学, 医学部, 教授 (60032182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 顕治 島根医科大学, 医学部, 助手 (00167933)
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Keywords | 条虫症 / 疫学 / 同定基準 / 人体寄生裂頭条虫症 / 日本海裂頭条虫 |
Research Abstract |
1.山陰地方における人体寄生裂頭条虫症の実態把握を行ない、日本海裂頭条虫7例、未同定裂頭条虫1例を発見し、感染源、臨床所見、虫体の寄生虫学的検索を行ない発表した。また、人体寄生マンソン裂頭条虫成虫例第11例を報告した。(第58回日本寄生虫学会大会、1988) 2.韓国ソウル大学と共同研究を行ない、韓国人体寄生裂頭条虫7例について寄生虫学的検索を行なった結果、全例とも広野裂頭条虫ではなく日本海裂頭条虫であることを明らかにした。感染源は、日本海を回遊するサクラマスによるものと推定された。台湾における人体寄生裂頭条虫は発見されず、虫体も入手することができなかった。ソ連との共同研究は、今後の課題として残された。 3.日本海裂頭条虫とその他の近似裂頭条虫の比較形態学的検討を行ない、北海道産チカ寄生裂頭条虫は、新種「掘田裂頭条虫」と命名し新種記載を行なった。 4.米子裂頭条虫の宿主が従来不明のままであったが、島根県浜田沖で捕獲されたイルカ「カマビレサカマタ」の腸管から発見された裂頭条虫が米子裂頭条虫であることを明らかにし、米子裂頭条虫の終宿主としてカマビレサカマタを報告した。(第58回日本寄生虫学会大会,1989) 5.日本海裂頭条虫のコラシジウムの鉤の形態に注目し、形態及び計測値により、近似種と鑑別することが可能であることを明らかにした。また走査電子顕微鏡を用い、幼虫の頭部、尾部、全体像、成虫の頭節、生殖口、虫卵卵殻表面像が、それぞれ種特異性を示すことを明らかにし、これら近似裂頭条虫(D.nihonkaiense,D.latum,D.ditremum,D.dendriticum,D.vogeli)の走査電顕による鑑別表を作成した。
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[Publications] Yosuke Yamane.: Parasitology Research. 74. 463-468 (1988)
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[Publications] Yosuke Yamane.: Japanese Journal of Parasitology. 37. 91-95 (1988)
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[Publications] Yosuke Yamane.: Japanese Journal of Parasitology. 37. 422-428 (1988)
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[Publications] Yosuke Yamane.: Parasitology Research. 74. 498-500 (1988)
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[Publications] Yosuke Yamane.: Parasitology Research. 75. 238-244 (1989)
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[Publications] Yosuke Yamane.: Parasitology Research. 75. (1989)