1988 Fiscal Year Final Research Report Summary
マンソン裂頭条虫擬充尾虫の産生する成長ホルモン様物質についての研究
Project/Area Number |
63570175
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
寄生虫学(含医用動物学)
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
平井 和光 愛媛大学, 医学部, 助教授 (20093940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪井 敬文 愛媛大学, 医学部, 助手 (00188616)
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Project Period (FY) |
1988 – 1990
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Keywords | マンソン裂頭条虫 / 擬充尾虫 / 成長促進 / 成長ホルモン / 肝細胞初代培養 / 成長ホルモン受容体アフィニティクロマトグラフィ |
Research Abstract |
マンソン裂頭条虫擬充尾虫が産生する成長ホルモン(GH)様物質の精製品の生理学的活性を研究するためには、充分量の製精品を効率よく得る必要がある。しかし、我々の従来の方法では精製効率が低く、invivo実験を行うのに充分量の精製品を得るのに困難であった。そこで、本物質は家免肝由来のヒトGH受容体に結合することが判明しているのでGH受容体を用いたアフィニティクロマトグラフィ法により精製することを試みた。妊娠家免肝臓よりGH受容体粗抽出液を調製し、GH-アフィニティカラムにより受容体を精製した。得られたGH受容体を用いて受容体-アフィニティカラムを作製した。虫体粗抽出液を受容体-アフィニティゲルと混和後、緩衝液にて洗浄し、そして5M-Macl_2加25mMトリス塩酸緩衝トリトンX100液にて溶出させた。GH活性はGH-Radiorece-ptor Assay.法にて測定した。5M-Mgcl_2溶出分画にGH活性が認められた。それの特異的活性は粗抽出液の活性より約900倍に濃縮された。この5M-Mgcl_2分画をsuperoseHR12カラムにてゲル濾過したところSDS-PAGEにて分子量約16KDの蛋白が得られた。また、Seglenの方法を改変してマウス肝臓実質細胞の初代培養を行ない、5M-Mgcl_2溶出分画の肝細胞DNA合成能に及ぼす影響を観察した。0.62μg蛋白/mlの添加で対照の1.8倍のDNA合成活性の上昇が認められた。これは本虫感染マウスの肝臓DNA合成促進するという実験結果と付合することである。しかし、この物質をゴールデンハムスターに経静脈投実験を行なったが、ゴールデンハムスターの血糖、Glucose-6-Phasphataseなど糖代謝系への影響は観察できなかった。これは、多分、投与量が少量であったこと(63mg/匹)によるかもしれない。今後、投与量を増加して本物質の糖代謝への影響を観察する計画である。
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